名門ハンセンが苦難の仕切り直しを強いられるなか、盟主KMSが無慈悲な2戦連続1-2を達成/WorldRX第4戦

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2025年08月28日 17:50  AUTOSPORT web

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やはりプロモーター変更の影響か、ハンセン一家は、レースウイーク前の金曜に主要パートナーとの継続的な問題により、今大会への出場を断念すると発表していた
 折り返しを迎えた2025年WorldRX世界ラリークロス選手権の第4戦がフィンランドのキュミリングで開催され、直前まで出場が危ぶまれていた名門ハンセン・モータースポーツを尻目に、盟主クリストファーソン・モータースポーツ(KMS)が2戦連続のワン・ツーを達成。シリーズ7冠の“絶対王者”こと、おなじみヨハン・クリストファーソン(フォルクスワーゲン・ポロRX1)を従えた僚友オーレ・クリスチャン・ベイビーが、キャリア通算2勝目を手にしている。

 フィンランドの首都ヘルシンキから100kmほど離れたキュミリングに建設されている常設トラックにて、世界選手権としては初開催となったWorldRX第4戦だが、その記念すべきイベントを前にシリーズを運営するFIA国際自動車連盟は今季カレンダーの追加詳細を発表。

 この2025年より選手権のプロモーターとしての役割を担うFIAは、改めてWorldRXへの長期的なコミットメントを再確認するとともに、そのスケジュールも世界モータースポーツ評議会(WMOC)の承認を条件に更新され、シーズン最終戦を9月20〜21日にトルコのイスタンブール・パークでダブルヘッダーとして開催することを発表した。

「世界ラリークロスは、情熱、予測不可能な展開、そして壮大なアクションといった、このスポーツの特別な魅力をすべて結集し、世界中の熱心なファンの皆さまにお届けしている」と語ったのは、FIA会長を務めるモハメド・ビン・スライエム。

「トルコ・オートモービル・スポーツ連盟の支援を受け、イスタンブール・パークでのダブルヘッダーで2025年シーズンをスリリングな幕引きに導くことで、激戦のシーズンにふさわしいフィナーレを飾るとともに、選手権の成長と持続可能性に向けた長期的なコミットメントを強化する」

 この改訂版カレンダーで、当初計画されていた年間6戦の開催を維持した格好のWorldRXだが、同じくFIAロードスポーツディレクターのエミリア・アベルも「シーズン最終戦については、あらゆるな選択肢を検討してきた」とし、逆説的に苦境に立たされているシリーズの先行きを暗示するコメントを残した。

「競技参加者やサプライヤーとの協力により、トルコでのダブルヘッダーが2025年シーズンの締めくくりとしてエキサイティングな結果をもたらし、2026年以降に向けたより強固な基盤を築くことに合意しました」

「今季もあらゆる会場でエキサイティングなレースが繰り広げられており、選手権の健全性を証明しています。私たちは、この勢いを最大限に活かし、来年に向けて強力なカレンダーを構築できるよう、引き続き尽力していきます」

 こうして迎えた8月23〜24日のキュミリング戦だが、当初発表されたエントリーリストには持続可能燃料採用の内燃機関(ICE)搭載モデルから、電動最高峰のRX1eを含め、世界選手権登録車両はわずか5台という寂しい状況に。その要因となったハンセン一家のファミリーチームは、レースウイーク前の金曜に主要パートナーとの継続的な問題により、今大会への出場を断念すると発表していた。

 これは2014年の選手権創設以来、ハンセンにとって初めてWorldRXに出場できないことを意味するとともに、その先行きが不安視されていたが、シリーズの結束力の表れとしてチャンピオンシップパートナーであるボルボ・コンストラクション・エクイップメントがレース出場に必要な支援を提供。財政的な後ろ盾が確保されるとともに、出場チームの全会一致の承認によりレイトエントリーが受諾された。

「今週末、フィンランドで開催されるWorldRXにハンセン・モータースポーツがグリッド復帰することを発表でき、大変うれしく思います」と応じた前出のアベル。

「これは各チームの一致したサポートと、ボルボCEの多大な支援のおかげで実現しました。彼らの結束力は、パドックの強さと結束を改めて示すものです。私たちは過去1週間、チームと緊密に連絡を取り合い、彼らが直面している課題を乗り越えるサポートと、解決策に向けて協力して取り組んできました」

「選手権のため、この実現に尽力してくれたラリークロス・コミュニティの皆さまに感謝申し上げます。熾烈なライバルたちがこのように団結することは、スポーツにおいて稀有なことであり、ラリークロスの唯一無二の精神を反映しています」

 その後チームは時間との闘いのなか、スウェーデンの拠点からキュミリンクまで約1000kmの道のりを走破し、まったく新しい黄色のカラーリングに身を包んで現地に到着。壮大な新会場で新たな船出を切ることとなった。

 新設サーキットは事前データが一切なく、初心者にもベテランにも厳しい試練の場となるなか、初日の予選ヒートではクリストファーソンが順当に首位をキープ。2番手ニクラス・グロンホルム(PWR RX1e)に続き、同じカラーリングをまとうケビン・ハンセン(プジョー208 RX1e)が3番手に飛び込んでいく。

 しかし明けた日曜決勝は、断続的な雨のためタイヤ選択の最適解が刻々と変化し、ファイナルでは先頭にたったグロンホルムがオープニングラップのターン2で接触し早々のリタイア。代わって唯一の内燃機関モデルに乗るユハ・リトコネン(PGRX/ヒョンデi20 WRXスーパーカー)がグリッド最後尾から奇跡的にトップに躍り出る。

 そのリトコネンを猛追したのも“伏兵”オーレ・クリスチャンで、早めのジョーカーを仕掛けて逆転に成功。KMSの両ドライバーは終盤にパンクに見舞われたものの、チームメイトの絶対王者にコンマ3秒差でチェッカーフラッグを受け、WorldRXで自身2度目の優勝を飾った。

「また優勝できて最高の気分だ! スタートは良かったが、アウトサイド・ラインで一瞬引っかかって後退してしまい、抜けるにはインサイドを攻めるしかなかったよ」と喜び満面のオーレ・クリスチャン。

 一方、3位表彰台に滑り込んだかと思われたリトコネンも、スタート直後のグロンホルムとの接触で2秒加算ペナルティが課され、ケビン・ハンセンが最後の表彰台を得た。

「ようやく今季のトロフィーを獲得できた。ユハ(・リトコネン)へのペナルティが原因だったのは残念だが、これまでの道のりを考えると、表彰台を獲得できたことは本当にうれしい」と続けたケビン。

「ジェットコースターのような1週間だっただけに、チームは本当に表彰台に値する。そしてCEディーラーチームとボルボ・コンストラクション・エクイップメントに心から感謝したい。彼らがいなければ、そもそも表彰台を争うこともできなかったはずだ」

https://www.youtube.com/watch?v=So2qmUV1C7M

[オートスポーツweb 2025年08月28日]

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