JSB1000トップは野左根。中須賀は虎視眈々、水野は大苦戦/全日本ロード オートポリス公開テスト

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2025年09月06日 21:10  AUTOSPORT web

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JSB1000:野左根航汰(Astemo Pro Honda SI Racing)/2025全日本ロード オートポリス公開テスト
 全日本ロードレース選手権第5戦の事前公開テストが9月3日(水)より3日間の日程で大分県・オートポリスで行われた。初日は快晴となったが、2日目は台風15号の影響を受けウエットコンディション。3日も最初の走行は、霧と雨に見舞われたが、午後にはドライコンディションとなった。それでも時折、近くを通る雨雲から風で雨粒が流れてくることもあった。ただ、特に初日は路面コンディションがよくなく全体的にラップタイムも伸びなかった。

 初日の時点で2日目は台風15号が接近するため、雨になることは明らか。最悪、走れないことも想定されたため、初日セッションで何とかマシンセットをまとめたいところだった。JSB1000クラスで総合トップタイムをマークしたのは野左根航汰(Astemo Pro Honda SI Racing)の1分48秒768。

「ディメンションやエンジンの仕様違いなど、かなり多くのテスト項目をドライのうちにと初日にこなしました。ただ、コースコンディションからか去年のイメージとは、かなり変わってしまっていてグリップに苦しみました。路面は荒れている部分もありますし、路面温度も上がったので海外のサーキットのようなスリッピーな状態でした。最初は去年のイメージでセットを始めたのですが、ペースを上げられなかったので違うセットにした感じですね。最後は時間がなく一発タイムでトップで終えられましたが、タイム的にもまだまだ足りていません。あとはレースウイークに向けたロングランのベースをチームと考えて金曜の走行でまとめたいですね」と野左根。

 2番手につけた中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)は1分49秒079と、やはり去年に比べてもタイムは出ていない。

「走り始めは特にグリップが悪くてタイムを上げられなかったので、いろいろ試行錯誤してもグリップを得られない状態でした。タイヤもいろいろ試して、その中でいい感触のものがあり、その後は、セッティングを進めていけました。自分のリズムを作るために、少し長めに走ることもできましたし、2日目の2本目は、台風の影響でかなり雨も風も強かったので、1本目のみの確認程度の走行になりましたが、ドライもウエットもいい状態にあることは確認できましたし、しっかり結果を出しにいける状態にあると思います」と自身のコメントを残した中須賀。ウエットとなった2日目はトップタイムをマークしている。

 3番手に1分49秒608の岩田悟(Team ATJ)、4番手に1分49秒696の伊藤和輝(Honda Dream RT SAKURAI HONDA)、5番手に1分49秒736の津田拓也(Team SUZUKI CN CHALLENGE)、6番手に1分49秒986の名越哲平(SDG Team HARC-PRO. Honda)、7番手に3日目にトップタイムを記録した鈴木光来(Team ATJ)の1分49秒955と、ここまで1分49秒台で続いた。

 開幕戦でダブルウインを飾っている水野涼(DUCATI Team KAGAYAMA)は、1分50秒676で総合8番手と大苦戦している。「何度もピットインアウトを繰り返して、原因を探ったのですが、あまりにも状態が悪いので思うように走れない状態です。レースウイークまでにチームに原因を追及してもらい、自分自信はしっかりフィジカル面を整えてよい走りができるように準備します」と水野。

 ST1000クラスは、岩戸亮介(Kawasaki Plaza Racing Team)が、ただひとり1分51秒台に入れ1分51秒922でトップ。

「前戦もてぎで出ていた問題をしっかりチームと話し合い、今回のオートポリステストに向けてチームも頑張ってくれたので、自信を持って攻められる状態になってきました。チームに感謝ですね。本当にもてぎのことを思い出すと悔しい思いしかないのですが、今回は本当に感触がよくなったのでいいレースをしたいですね」と岩戸。

 2番手に1分50秒283の村瀬健琉(Team TITAN-TKR SUZUKI)、3番手に、3日目のトップだった荒川晃大(Astemo Pro Honda SI Racing)、4番手に1分50秒426の國峰啄磨(TOHO RACING)、5番手に1分50秒527の亀井雄大(RTJapan M Auto and Kamechans)、6番手に前戦ダブルウインを飾った羽田太河(Astemo Pro Honda SI Racing)が1分50秒545で続いた。

 ST600クラスも、初日2本目のタイムが最速タイムとなり長尾健吾(TEAMKENKEN YTch)が1分54秒424でトップにつけた。

「もてぎでは調子もよかったですし、トップを走りながらマシントラブルが出てしまい悔しいレースになってしまいました。トラブルもオフィシャルテストで解消できたと思います。オートポリスに来られるファンの皆様の応援も熱く力をもらってるので、2023年の再現ができるように頑張ります」と長尾。

 2番手は前戦もてぎで独走優勝を果たした伊達悠太(AKENO SPEED)が1分54秒532、3番手に小山知良(JAPAN POST Honda RACING TP)が1分55秒159、4番手に岡部怜(Nitro RyotaRacing 14)が1分55秒825、5番手に南本宗一郎(AKENO SPEED)が1分55秒837、6番手に高橋匠(KAWAKEN GBSRacing)が1分55秒919、7番手に岡部玲(ITO RACING BORG CUSTOM)が1分55秒919、8番手に小田喜阿門(SDG Team HARC-PRO. Honda)が1分55秒961と続いた。

 J-GP3クラスは、尾野弘樹(P.MU 7C GALESPEED)が1分57秒188と2番手を2秒以上引き離してトップタイムにつけた。

「ドライは1本だけでしたが、ウエットでテストもいろいろできましたし、上々のテストになりました。もてぎでの好調を維持できているので、オートポリスでもコースレコードを更新するのが目標です。もちろん勝つことが重要なので、それに向けたレースウイークを組み立てるだけですね」と余裕のコメント。尾野は、前戦もてぎの後、アジアロードレース選手権第4戦インドネシアに参加。すぐに帰国してオートポリステストと多忙なスケジュールにも関わらず圧倒的な速さを見せつけた。

 マシントラブルの原因が最後のセッションで判明した高杉奈緒子(TEAM NAOKO KTM)が1分59秒312で2番手。3番手に1分59秒696で岡崎静夏(JAPAN POST Honda RACING)、4番手に1分59秒886で若松怜(JAPAN POST docomo business)、5番手に2分00秒507で大田隼人(MARUMAE DreamKitakyushu CPARIS)と続き、スポット参戦する徳留真紀(MARUMAE MTR PlanBee)が2分00秒769で6番手につけた。

「僕もメカニックもロードコースを走らせるのが10カ月振りなのでいろいろ思い出しながら進めました。初日は雨だったので走行を見合わせましたが、今日はウエットもドライも走れたので去年ネガが出ていた足回りのセッティングを見直して、だいぶいい方向になってきました」と徳留。世界を知る大ベテランの走りにも注目したいところだ。

[オートスポーツweb 2025年09月06日]

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