rockin’star Carnival 日本最大の音楽フェス「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」をはじめ、音楽を核に多様な事業を展開するロッキング・オンが、10月4日、茨城県の国営ひたち海浜公園で初の“音楽×花火イベント”「rockin’star Carnival(ロッキンスター・カーニバル)」を開催する。かつては花火大会といえば“夏の風物詩”だったが、近年は春や秋に開催するケースが増え、その演出も音楽を取り入れるなど多彩となり、そこには“賛”だけでなく“否”の声があるのも事実。「rockin’star Carnival」は、秋の夜空で音楽と花火の融合による“新たな付加価値”をどのように打ち出そうとしているのか。その狙いや伝えたいメッセージを聞いた。
「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」でかつて1日6万9000人の集客を記録した国営ひたち海浜公園を舞台に、DJ和が繰り出すJ-ROCK/J-POPの名曲と約20,000発の花火やレーザー演出を融合するという新感覚エンターテインメント「rockin’star Carnival」。企画立案のきっかけは、2000年から開催してきた「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」の存在だった。
「参加者が主役のロックフェスを行いたい」というロッキング・オンの創設者である故・渋谷陽一氏の考えのもとスタートした「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」は、日本を代表するアーティストが集う日本最大の真夏の野外フェスとして、2019年までの20年間、国営ひたち海浜公園を会場に毎年8月上旬に開催。コロナ禍、2年間の中止を余儀なくされたが、「なんとか継続させたい」という思いから、2022年からは会場を千葉市蘇我スポーツ公園に移転して開催してきた。
そんな中、ひたち海浜公園とそれまで築き上げてきた関係性を継続するべく、25周年記念となる2024年には同公園でも同フェスを開催。その後も、周年記念には同公園で「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」を開催することを発表した。
しかし、「ひたち海浜公園のような6万人が収容できる大規模フェスは、運営的なノウハウはもちろん、地元との連携も非常に重要となるため、5年に1回の開催では担当者が変わることもありフェスを維持するのはなかなか難しい」とロッキング・オン・ジャパン代表取締役社長の海津亮氏。そこで思い立ったのが、周年以外の年に、同公園で“音楽×花火”のイベントを開催することだった。ここまでひたち海浜公園にこだわる理由について、海津氏はこう語る。
「『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』が今のブランド力を得られた理由は様々ありますが、一番大きいのは、ひたち海浜公園という魅力的なロケーションがあったからだと思っています。20周年の2019年には6万9000人を収容しましたが、それだけ動員できて、かつスムーズな運営が可能な施設は関東圏にはなかなかありません。それに加え、ひたちなか市役所や観光協会、商工会が非常に協力的で、皆さんとの関係性をしっかり作れたことも我々の大きな財産なので、それを失いたくないという思いがありました」(海津氏/以下同)
音楽については、不要論も上がるなど、賛否がわかれるところだが、花火イベントの形態や価値観が多様化している今、開催時期にも変化がみられる。春や秋の開催が増え、花火大会が“夏の風物詩”ではなくなっていることはご存じのとおりだが、そんな中、本イベントの開催を10月に決めたのは、『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』で培った経験からという。
「『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』は、酷暑対策とゲリラ豪雨などの気象環境の変化に対応するべく、今年、8月開催から9月のシルバーウィーク開催へと移行しました。花火は特に天候の影響に弱いですし、それに秋のほうが今の時代は快適な空間でパフォーマンスを楽しんでもらえます。花火大会は8月にやるものという概念は割と柔軟に崩れていっているのではないでしょうか」