首相官邸に入る石破茂首相=18日午前、東京・永田町 日本政府はパレスチナの国家承認について、当面見送る方向で最終調整に入った。イスラエルが反発を強めれば、パレスチナ自治区ガザ情勢がさらに悪化しかねないと懸念。同国を支える米国の意向にも配慮し、承認を表明した英仏などに追随しないとの判断に傾いた。複数の政府関係者が18日、明らかにした。
パレスチナ問題を巡っては、22日に米ニューヨークでフランスとサウジアラビアが主催する首脳級会合が開かれる。岩屋毅外相が出席し、パレスチナとイスラエルが平和的に共存する「2国家解決」を支持する日本の立場を表明する方向だ。石破茂首相は参加を見送る。
7月以降に英仏やカナダなどでパレスチナ承認の動きが出たことから、当初は慎重だった日本政府も検討に着手した。ただ、イスラエルが態度を硬化させ、ガザ中心部への地上侵攻にも踏み切ったことから「国家承認で、人道状況はむしろ悪化している」(日本外務省幹部)との声が出ていた。
イスラエルを支援する米トランプ政権が、承認を見送るよう日本側に要請してきたことも考慮。米国と歩調を合わせる必要があると判断したもようだ。