記者会見する岩屋毅外相=19日、外務省 岩屋毅外相は19日の記者会見で、パレスチナの国家承認を当面見送る方針を表明した。22日に米ニューヨークで開かれる仏・サウジアラビア主催の首脳級会合に出席し、日本政府の見解を説明する。会見に先立ち米国、イスラエル、パレスチナの各外相と電話会談し、日本の立場を伝えた。
岩屋氏は会見で「今回のタイミングでは承認しないと判断した」と説明。相次ぐ各国の承認表明がイスラエルの態度を硬化させていることや、国家承認に反対する米国の意向も踏まえて判断したとみられる。「情勢の変化を注視しつつ、重大な関心を持って総合的な検討を引き続き行う」とも述べた。
岩屋氏は「現在のパレスチナ情勢は(イスラエルとパレスチナが平和的に共存する)『2国家解決』の前提を崩しかねない」と指摘。イスラエルの軍事行動の停止やパレスチナ自治政府への支援が重要だとして、「2国家解決に一歩でも近づくような、現実的かつ積極的な役割を果たし続ける」と強調した。