吉永小百合(80)の主演映画「てっぺんの向こうにあなたがいる」(阪本順治監督、10月31日公開)完成披露試写会が24日、東京国際フォーラムAで行われた。席上で20日(日本時間21日)にスペインで開催中の第73回サンセバスチャン映画祭で行われた公式上映に参加した若葉竜也(36)が、意外にも飛行機が大の苦手で弱点だと、阪本順治監督(66)が暴露した。
若葉は劇中で、吉永が演じた多部純子のモデルとなった登山家・田部井淳子さんの実子で、サンセバスチャン映画祭にも参加した進也さん(47)がモデルとなった長男真太郎を演じた。現地では、上映会場の「プリンシペ」に到着すると、上映を待つ200人ほどの観客に囲まれ、次々と写真やサインを求められた。日本公開に先駆けた世界初お披露目に、会場の262席は満席となった。
トークの中で、サンセバスチャン映画祭に話が及ぶと、阪本監督は「観客の1人が『人生の映画だね』とおっしゃったのが、うれしかった」と笑みを浮かべた。さらに、女性として初めて8000メートル峰全14座の無酸素登頂に成功した、オーストリアの登山家ゲルリンデ・カルテンブルンナー氏(54)から「去年、ヒマラヤに登った時、『一緒に登った仲間と、田部井淳子さんの映画を誰か、作ってくれないかしらと言っていたら、本当にできたことがうれしかった』と言われたことが印象に残った」と続けた。そして「若葉君は全く、飛行機が全くダメだったのが面白かった」と言い、笑った。
若葉は「僕は飛行機が大っ嫌いですね」と口にした。その上で「だけど、監督から『原田芳雄さんも苦手だったから』と言われて、気が楽になりましたね」と笑った。阪本監督は原田さんの遺作となった11年「大鹿村騒動記」を手がけている。
「てっぺんの向こうにあなたがいる」では、吉永が演じた純子の青年期を、のん(32)、佐藤浩市(64)が、田部井さんの夫政伸さんをモデルにした夫の正明、正明の青年期を工藤阿須加(34)が演じた。元読売新聞記者の北村節子さんがモデルとなった、純子の山仲間で親友の編集者北山悦子を天海祐希(58)が演じた。
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また、26日から韓国の蔚山・蔚州で開催の第10回蔚山蔚州世界山岳映画祭(ウルサンウルジュマウンテンフィルムフェスティバル UMFF)アジアンコンペティションへの出品も決定。28日の公式上映には、田部井進也さんが登壇を予定している。
◆「てっぺんの向こうにあなたがいる」 1975年(昭50)エベレスト山頂に1歩1歩、着実に向かう多部純子。日本時間16時30分、純子は女性として初の世界最高峰制覇を果たした。しかし、世界中を驚かせた輝かしい偉業は純子と友人、家族たちに光を与えると共に深い影も落とした。晩年、純子は余命宣告を受けながらも「苦しい時こそ笑う」と家族や友人、周囲を、その朗らかな笑顔で巻き込みながら人生をかけて山へ挑み続けた。登山家として、母として、妻として、1人の人間として、純子が、最後に「てっぺん」の向こうに見たものとは…。
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