昨年衆院選は「合憲」=「1票の格差」、3回連続―異例の小法廷判決・最高裁

1

2025年09月26日 15:32  時事通信社

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

時事通信社

2024年衆院選の「1票の格差」を巡る訴訟で、上告審判決のため最高裁に向かう升永英俊弁護士(右から2人目)ら=26日午後、東京都千代田区
 「1票の格差」が最大2.06倍だった2024年10月の衆院選は投票価値の平等に反し違憲だとして、二つの弁護士グループが選挙無効を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(尾島明裁判長)は26日、「合憲」との判断を示し、原告側の上告を棄却した。

 裁判官4人中3人の多数意見。弁護士出身の高須順一裁判官は「違憲状態」とする意見を述べた。

 衆院選の1票の格差を合憲とした最高裁判決は3回連続。今回は都道府県の人口比を基にした定数配分「アダムズ方式」が初めて適用された選挙で、全国14の高裁・支部は全て「合憲」と判断した。1票の格差を巡る訴訟で、審理を大法廷に回付せず小法廷で判決を言い渡すのは異例。

 第2小法廷は、選挙制度の仕組みの決定は「国会に広範な裁量が認められている」とし、アダムズ方式に基づく選挙区割りについて「合理性を有する」と評価した。

 その上で、自然な人口移動以外に最大格差が2倍以上となった要因はうかがわれないと指摘。格差拡大の程度が著しいとは言えず、投票価値の平等には反しないと結論付けた。

 これに対し高須裁判官は、選挙区割りを改定する時点で最大格差は1.999倍で、2倍以上となるのはほぼ確実に見込まれる状況だったと指摘。「国会の裁量権行使として合理性があると言えるのか疑問だ」と述べ、違憲状態と判断した。

 各地の選挙管理委員会などによると、24年10月の衆院選投開票日に有権者数が最も多かったのは北海道3区で、最少は鳥取1区。1票の格差は2.06倍で、21年衆院選の最大2.08倍から若干縮小していた。 

「1票の格差」を巡る訴訟の上告審判決で、2024年衆院選を合憲と判断した最高裁第2小法廷=26日午後、東京都千代田区(代表撮影)
「1票の格差」を巡る訴訟の上告審判決で、2024年衆院選を合憲と判断した最高裁第2小法廷=26日午後、東京都千代田区(代表撮影)

このニュースに関するつぶやき

ニュース設定