『愚か者の身分』©2025 映画「愚か者の身分」製作委員会第30回釜山国際映画祭コンペティション部門に出品されていた『愚か者の身分』にて、北村匠海、林裕太、綾野剛が3人揃ってThe Best Actor Award(最優秀俳優賞)を受賞、北村、林、綾野の喜びの声を捉えたコメント動画が到着した。
9月17日より韓国・釜山で開催され、26日にクロージングを迎えた第30回釜山国際映画祭で、本年度より新設されたコンペティション部門に選出されていた本作。
主演のタクヤを演じた北村、タクヤと共に闇ビジネスに手を染める若者・マモルを演じた林、タクヤの兄貴的存在・梶谷を演じた綾野の3名が、同部門に出品された作品の中で卓越した演技を見せた俳優に贈られる<The Best Actor Award(最優秀俳優賞)>を揃って受賞。
審査員からの受賞理由として挙げられたのは「それぞれ個性がありながらも完璧に調和した、この3人の若い俳優たちの演技は、セリフに若々しいエネルギーを吹き込み、観客が登場人物と共に笑い、涙し、成長できる特別な力を示していた」こと。本作での彼らの存在感と演技がいかに強い印象を残したかを物語っている。
受賞したことに対して北村は「率直に3人でとるっていうのが、すごいこと」と感激。綾野も「3人で1人の感情として捉えてもらえたことがとても嬉しい」とコメント。
林も「まだ実感がわかない」としつつも「僕たちの作った映画が釜山で評価され、称賛され、それが形になったっていうのがすごく嬉しい」と喜びもひとしおの様子。
なお、授賞式には、ワールドプレミアと同じく林が代表して参加。北村、綾野は東京で林の晴れ舞台を見守ることになったが、北村は「しっかり胸を張って行ってきてください」、綾野は「光を失った男と、光を諦めた男と、それでも光を追い続ける男のマモル役をやった裕太くんが、本当の意味でも輝かしい場所に立ってる姿を想像するだけで胸にくるものがあります」「何よりも楽しんでほしいなと思います」とエールを送り、林は「その2人の思いを背負って、釜山の晴れ舞台で堂々と胸を張って楽しんでいければいいなと思います」と答えていた。
そんな北村、綾野の力強い言葉を胸に、3人を代表して授賞式に登壇した林。永田琴監督と森井輝プロデューサーが見守る中、花束とトロフィーを受け取り、緊張しながらも堂々としたスピーチを披露。
「選択肢のない人が愚かなのか、それとも選択肢を確保しないその環境が、世の中が愚かなのか」「ただ、この映画において最も大切なことは、生きようとすることは決して愚かな選択肢ではないということです」と想いを語る。
そして「たとえ大きな夢や、何か大きな意義を見出さなくても、自分を支えてれる誰かがいるなら、ここに生きる意味は大いにあるということだと僕は思っています。それを教えてくれたのがこの映画であり、今日来られなかった北村匠海さん、綾野剛さんです」と話し、「今日のこの特別な瞬間を、この特別な感情を、日本に帰って3人で分かち合いたいなと思います」と共に受賞を果たした先輩たちに感謝。
最後は、日本から持参し、お守りにしていたという北村と綾野のアクスタを披露して会場を和ませて締め括った。
『愚か者の身分』は10月24日(金)より全国にて公開。
(シネマカフェ編集部)