生活保護訴訟 敗訴の高裁金沢支部判決、国が上告断念へ
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2025年09月30日 20:52 毎日新聞

厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館=東京・霞が関で、竹内紀臣撮影 厚生労働省が2013〜15年に実施した最大10%の生活保護費の減額処分が憲法違反だとして、金沢、富山両市の受給者が処分の取り消しなどを求めた訴訟の控訴審で処分を取り消した17日の名古屋高裁金沢支部判決について、国は上告しない方針を固めた。関係者への取材で判明した。
同支部は、厚労省が生活保護費引き下げの根拠とした物価下落率を反映させる「デフレ調整」について、生活保護基準を検討する専門家部会にも諮られていないことを問題視。「合理性を基礎づける専門的知見が認められない」などと指摘し、処分を取り消した。国家賠償請求は認めなかった。
最高裁は今年6月、減額処分は違法だとする統一判断を示しており、それ以降では初の高裁判決だった。
判決は最高裁判断を踏襲しており、厚労省の幹部は取材に「最高裁判決と同内容なので争いようがない」と説明した。【肥沼直寛】
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