「京都大学レクチャーシップアワード」受賞者の米プリンストン大のクリフォード・ブラングウィン教授(京都大提供) 京都大は4日、ノーベル賞級の活躍が期待される国内外の若手研究者を表彰する国際学術賞「京都大学レクチャーシップアワード」を創設し、医学・生命科学分野の初代受賞者に米プリンストン大のクリフォード・ブラングウィン教授(47)を選出した。相互作用のある分子が一定の濃度を超えると固まりをつくる現象が膜を持たない細胞内小器官の形成で生じていることを実証し、細胞内は核のように膜で仕切られるという従来の常識を覆した点が評価された。パーキンソン病などの神経疾患にもこの現象が関与しているとされ、新たな治療法の開発につながる成果という。
同賞の対象者は50歳未満の研究者で、複数名での共同受賞もある。学問分野の源流を開拓して一分野を築きつつある研究や、根源的な問題に取り組んで学術の顕著な発展や社会課題の解決につながる研究から選ぶ。
賞金は100万円で、来春に授賞式を開催。来年度以降は化学、物理学、数学、人文・社会科学にも拡大する。
同大は表彰を通じ、国際的な研究ネットワークの構築を目指す。北川進・研究推進担当理事は「受賞者と若手研究者の交流が深まり、未来を開く研究が生まれることを期待している」と話している。