11万人が来場。ELMSシルバーストン戦の成功は、WECカレンダーへの復帰の後押しに

1

2025年10月06日 12:20  AUTOSPORT web

  • 限定公開( 1 )

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AUTOSPORT web

2019年9月に開催された2019-2020年WEC開幕戦シルバーストン4時間レースの決勝スタート
 WEC世界耐久選手権のフリデリック・ルキアンCEO(最高経営責任者)は、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズにおいて今季復活したシルバーストン・ラウンドの成功は、2027年にWECの開催枠を獲得するという、イギリスのサーキットの希望を後押しするものだと語った。


■組み込まれた場合の開催時期を予想

 先月開催されたELMS第5戦『シルバーストン4時間レース』は、COVID-19(新型コロナウイルス)のパンデミック以降、かつてELMSとWEC両レースの常連だったシルバーストンで、ACOフランス西部自動車クラブが運営するシリーズが開催した初めてのレースとなった。

 イギリスでのイベントは大成功を収め、主催者によると11万人もの観客が来場したという。

 この発表は、WECが2027年シーズンのスケジュールを9ラウンドに拡大する可能性を検討しているなかで行われた。WECは2024年に『カタール1812km』が追加され現在の年間8レースのレベルに引き上げられて以来、安定したスケジュールを選択してきた。

 シルバーストンは、コロナ禍による影響もあり2019/20シーズン以降、WECレースが開催されていないものの、つねに9戦目開催の有力候補と目されてきた。ルキアンは、ELMSでの成功をシルバーストン開催の可能性に対する「ポジティブなシグナル」と表現した。

「ELMSレースが証明したのは、イギリスにおけるスポーツカーレースへの関心の高さだ」と、ルキアンは先週末の富士スピードウェイでSportscar365に語った。

「これは同地でのWECレース復活を考えるうえで、ひとつの明るい兆しだ。我々は現在、それに取り組んでいる。まだ何も決まっていないが、シルバーストンでふたたびレースをすることを検討しないのは愚かなことだろう」

 ルキアンは、シルバーストンでのレースが2027年に復活した場合、スケジュールのどこに組み込まれるかについては明言を避け、「様子を見よう」とだけ述べた。

 もっとも可能性の高いシナリオは、シルバーストンが6月のル・マン24時間レースより以前に開催されるヨーロッパのレースに加えられることだと理解されている。もし、これが事実であれば5月中旬にシルバーストンを追加するために、イモラとスパの両イベントが前倒しで開催される可能性がある。

 シルバーストンは、F1イギリスGPとシルバーストン・クラシックという2大イベントをそれぞれ7月と8月に開催するため、ル・マン後の開催は考えにくい。ただし、後者の伝統的な8月のバンクホリデー枠は、来年のイベント形式変更の一環として“カーフェス”に充てられる予定だ。

 シルバーストンは、2012年の初年度に8月の第4戦としてWECカレンダーに登場した。2013年から2017年にかけては4月にレースを開催し、その後2018/19シーズンと翌2019/20シーズンは開催時期が夏に戻っていた。

 しかし、現在のル・マン後のシーズン後半戦は、7月のサンパウロから始まり9月のサーキット・オブ・ジ・アメリカズ、そして富士と続くかたちとなっており、一連の“フライウェイ”レースの順序とシルバーストンでの夏開催は相容れないだろう。

 イギリスの伝統的なサーキットは、2025年からほとんど変更のない来季2026年のELMSカレンダーにも引き続き掲載され、『鈴鹿1000km』と同じ9月13日の週末に開催予定だ。

[オートスポーツweb 2025年10月06日]

    ランキングスポーツ

    前日のランキングへ

    ニュース設定