なぜか赤く見えてしまう“不思議なリンゴ”の絵が、X(Twitter)に投稿されました。このポストの表示数は記事執筆時点で790万回を突破しており、7万5000件以上のいいねを集めています。
投稿者は、Xで日常のつぶやきの他、描いたイラストを公開しているぎく(@gk98tm)さん。Xで話題になっていた色の使い方の投稿を受けて、補色であるシアンを使えば赤色を使わなくても絵が赤く見えることを示すために、3種類のリンゴの絵を描きました。
1つ目のリンゴは灰色と黒色だけで描いたもの。リンゴはもともとのシルエットが特徴的なため、一目で何が描かれているか判別できますが当然ながら赤くは見えません。
しかし、ここにシアンを追加すると状況は一変。光源の側から見ても、反対側から見てもモノトーンで描いてあるはずのリンゴがなぜか赤く見えます。なお、当然ですが赤は使っておらず、拡大して確認したり、スポイトで色を取り出したりすると、赤だと感じる部分の置かれている色がグレーであることがわかるそうです。自分の目が信じられなくなっちゃう……。
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この現象を応用すれば、赤色をさらに際立たせることも可能。赤いリンゴの絵にシアンを追加するだけで、普通の赤色が“すさまじく真っ赤っ赤なレッド”になります。
ぎくさんの絵を見たXユーザーからは、「何を言ってるんだい? そこにあるのは“赤色” そうだよな?…な?」「わかりやすい 実際は全然赤くないけど赤いと感じさせるだけでいいんだ」「あれ、なんか…"刺さった"……これ好きすぎるかも……」「こんな事が可能なんですね…!」「脳がバグってる」などの感想が寄せられました。
この投稿に、公益社団法人「色彩検定協会」の公式Xアカウント(@shikisai_kentei)も反応。グレーがなぜか色づいて見えるこの錯覚は「色陰(しきいん)現象」と呼ばれるものであり、隣り合う色の影響がいかに大きいかを説明しています。
ぎくさんはこの投稿の経緯について「絵における色彩使いについて話題になっていたことから、フォロワーさんに色彩の面白さを伝えたいと思い、色彩使いの極論の話として作成したものです」とコメント。今回の絵を通じて、多くの人に絵と色彩の面白さが伝われば良いと自身の考えを明かしています。
また制作したリンゴの絵については、「赤い存在は黒〜グレー〜白のグラデーション、無彩色の存在はシアン〜高彩度の暗いシアンで描く(中略)ちなみにですがこの状態で霞んだ緑を使うと黄色に見えるはず」と説明。他の色を表現したい場合は「無彩色の灰色で描いたものに、赤⇔シアン、青⇔イエロー、緑⇔マゼンタ…など補色の関係の色を光源や周囲に塗ると灰色に色が付いて見えるのでお試しください!」と伝えています。
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画像提供:ぎく(@gk98tm)さん
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