日大重量挙げ元監督、無罪主張＝奨学生から学費詐取―東京地裁

　日本大重量挙げ部の奨学生側に、本来は免除されている学費を支払う必要があると偽り、現金をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた元同部監督の難波謙二被告（６４）の初公判が８日、東京地裁（駒田秀和裁判長）であった。難波被告は起訴内容を否認し、弁護側は「詐欺罪は成立しない」と無罪を主張した。

　検察側は冒頭陳述で、難波被告が長年にわたり監督や教授として部内などで絶大な権力を持ち、恐れられた存在だったと指摘。学生側が入学時に支払う学費を部に納めさせる「代理徴収」という慣習を悪用し、不正に得た現金の一部は私的に使ったとした。

　不正な学費徴収は２００２年度の入学生から始まり、難波被告は保護者に支払いを求める虚偽の書面を自ら作成したり、コーチに作成を指示したりしていたと主張した。

　難波被告は００年４月に監督に就任。問題発覚を受け、２４年７月に懲戒解雇された。

　起訴状によると、難波被告はコーチだった男＝同罪で在宅起訴＝と共謀し、２２年１２月と２３年１２月、入部予定の奨学生の保護者計８人に虚偽の書面を送付し、架空請求分計約４６０万円を含む計約１０２０万円を振り込ませたとされる。　

日大重量挙げ元監督、無罪主張＝奨学生から学費詐取―東京地裁

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