ユニバーサル ミュージックとクラウトナインは10月14日、歌い手・Adoさんの楽曲「愛して愛して愛して」のミュージックビデオで、動画素材の無断利用があったと発表した。この楽曲は、Adoさんが“歌ってみた音源”としてカバーしたもの。ユニバーサル ミュージック側が公開したMVには、オリジナルMVの一部素材を使っていたが、利用ための正規の法務プロセスを経ていない無断利用だと分かった。
「愛して愛して愛して」はボカロP・きくおさんの楽曲で、2015年には動画クリエイターユニット「さしたま」が作成したMVを公開していた。ユニバーサル ミュージック側は23年、きくおさんの承諾のもとでこの楽曲の歌ってみた音源を制作。その後、25年4月にはMVとしてこれを公開していた。
ユニバーサル ミュージック側がMVを制作した際、さしたまのオリジナルのMVをオマージュする意図で、一部動画素材を利用していた。しかし、同社の自主調査の結果、これが無断利用だったことが判明。原因について同社は「著作権に関する認識不足と法務確認のプロセスを怠った」と説明している。
ユニバーサル ミュージックはさしたまさんに直接謝罪をしており、今後の適切な対応を協議中。再発防止策として、著作権に関する社内教育の再徹底や法務確認プロセスの強化、作品の適切な利用のためのガイドラインの制定などを挙げている。
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なおこの件は、ユニバーサル ミュージックの管理体制の不備が原因であり、Adoさんや、MV制作チームは、制作過程での許諾取得の提案や法務確認の手続きを行う立場ではなかった。そのため、無断利用には一切関与していないとしている。
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