長野地裁=長野市 長野4人殺害事件の判決公判で、青木政憲被告(34)に死刑が言い渡されたことを受け、遺族らは14日、それぞれコメントを発表した。「逃げずに向き合って」「安全を守る人が犠牲にならない社会を」。犠牲者に思いをはせ、複雑な心境をにじませた。
散歩中に被害に遭った村上幸枝さん=当時(66)=の遺族は「妻・母が私たちの元に戻ってくることはもうありません。逃げずに正面から向き合い、罰を受けてほしい」と心情を明かした。
「裁判中の態度と発言は腹立たしく、無念でならない」。公判で青木被告から謝罪の言葉がなかったことに、竹内靖子さん=同(70)=の遺族は憤りを隠さない。「多くの人の心に傷を負わせたことを認識して罰を受けてほしい」と訴えた。
現場で銃撃されるなどして死亡した県警中野署の玉井良樹警視=同(46)=の遺族は「被害者たちの無念、私たち遺族の悲しみ、判決の結果を重く受け止め、自身の犯した重大な罪に真剣に向き合うことを強く望む」とコメントした。同じく殉職した池内卓夫警部=同(61)、いずれも2階級特進=の遺族は「罪のない人々が犠牲とならない社会、命を懸けて地域の安全を守る人々が犠牲とならない社会となってほしい」と願いを込めた。