冬の洗濯ストレスを解消 - 日立「ビッグドラム」2025年モデルが示すプレミアム家電の価値

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2025年10月15日 10:31  マイナビニュース

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日立グローバルライフソリューションズが2025年度に投入する新しいドラム式洗濯乾燥機「ビッグドラム」シリーズは、生活者のリアルな声に真正面から応えるべく設計された。脱水後の衣類が思った以上に湿っぽい、使い込んだタオルや衣類から漂うニオイ、これらにどう取り組んだのだろうか。

○冬の洗濯で感じる“ちょっとした不満”



冬場の洗濯で、多くの人が抱くのは「脱水後の衣類が思った以上に湿っぽい」という不満である。特に部屋干しをする家庭では、乾きにくさが大きなストレスにつながる。さらに、長年使い込んだタオルや衣類から漂う“落ちないニオイ”。これもまた、多くの消費者があきらめてきた悩みのひとつだ。


日立グローバルライフソリューションズ(以下、日立GLS)が2025年度に投入する新しいドラム式洗濯乾燥機「ビッグドラム」シリーズは、こうした生活者のリアルな声に真正面から応えるべく設計された。単なるスペック競争ではなく、「冬場でも快適に」「香りをより楽しめる」「空間に調和する美しさ」という、体験に基づく3つの進化ポイントを掲げている。



「お客様のQOLを高めるために、単なる洗浄性能の強化ではなく、生活のストレスをどう減らすかに挑みました」――。そう語ったのは、日立GLS プロダクトマーケティング本部 商品企画部 洗濯機グループの伊藤詩菜氏である。


○AIで“水の性質”に挑む



注目すべき機能は「AIお洗濯」の進化だ。冬に脱水の不満が増える原因は、単に洗濯機のパワー不足ではなく、水の性質そのものにある。水温が下がると表面張力が大きくなり、繊維に水分がまとわりついて離れにくくなる。遠心力をいくらかけても水が抜けにくいのだ。


伊藤氏はこう続ける。



「水の性質にまで踏み込んで制御するのは初めての試みでした。水温を検知し、低いと判断したときには自動的に脱水時間を延長することで、冬場の乾きにくさを大きく改善できます」



最大90秒の脱水延長で、冬特有の不満が解消される。科学的な裏付けに基づくこの進化は、家電技術の深化を象徴している。

○P&Gとの共同開発、“すすぎ剤コース”の意義



次に紹介されたのが、P&Gとの共同開発による「すすぎ剤コース」である。使用するのは「レノア クエン酸in」。クエン酸が金属イオンを引きはがし、長年の使用で蓄積してきたニオイの原因に直接アプローチする。


「タオルや衣類のニオイ問題は、消費者の8割が抱える大きな悩みです。漂白剤や柔軟剤では根本原因の金属イオンを除去できませんでした。そこでクエン酸を活用することで、ようやく長年の課題に正面から挑むことができました」



そう語ったのは、P&Gジャパン合同会社 ファブリックケア事業部 アライアンスイノベーションチーム シニアブランドマネージャーの阪脇脩太氏である。



さらに技術面を説明したのは、P&Gイノベーション合同会社 Japan Fabric Care 研究開発本部 リサーチャーの磯田琳花氏だ。


「クエン酸は金属イオンをはがす力を持っています。我々はその働きをより活性化させる成分を配合し、がんこなニオイをはがし取ることに成功しました」



日立GLSはこの特性を生かし、すすぎ剤と柔軟剤を自動投入で分け、適切なタイミングで制御する新コースを開発した。不要なニオイ要因を洗い流した後に柔軟剤を重ねることで、香りが一層引き立つ。


「香りは重ねるのではなく、下地を整えてからこそ活きる」――。両社の技術融合は、その事実を見事に体現している。

○空間に映える、新しいダークグレー



デザイン面でも大きな進化があった。従来のホワイトに加え、新色「ダークグレー」が登場。グレー基調の空間はもちろん、ホワイト基調の部屋にも違和感なく調和する絶妙な色味に仕上がっている。


日立製作所 デザインセンタ UXデザイン部 主任デザイナーの二宮正人氏はこう語った。



「圧迫感を与えず、陰影の美しさを際立たせるニュアンスカラーを追求しました。単なる新色の追加ではなく、空間に寄り添う提案型デザインを目指したのです」



生活空間の一部となる家電だからこそ、デザインは性能と同じくらい重要だ。新色の追加はその思想を象徴する取り組みといえる。


○大容量×スリム、そして“らくメンテ”



ここまでの新機能を仕上げてきているぶん、基本性能も当然抜かりはない。


洗濯13kg/乾燥7kgの大容量を備えつつ、横幅は据え置きの60cm。都市部の限られた設置環境でも収まりやすい。

乾燥フィルターレスを継続採用。内部自動洗浄によって“ほこり掃除の手間”を大幅に軽減。

ヒートポンプ式乾燥で省エネとシワ抑制を両立。


「毎日の手入れにかかる時間を減らすことが、真のプレミアム体験につながります」



“使うたびに感じる便利さ”は、価格以上の満足度を生み出すと伊藤氏は強調した。

○プレミアム家電の価値とは



新しいビッグドラムの店頭想定価格は35万円〜45万円前後。決して安い買い物ではない。だが「冬の洗濯ストレスを減らす」「香りをより楽しめる」「空間を美しく彩る」という3つの価値が同時に手に入るなら、その投資は合理的だと考える人も少なくないだろう。



家電は単なる“モノ”ではなく、毎日の暮らしを支える“環境”である。今回の日立GLSの取り組みは、スペック強化にとどまらず、生活者の体験を豊かにする方向に進化している。そこにこそ、プレミアム家電としての存在意義があると筆者は考える。



単に高機能・高価格な製品ではなく、生活の中で“当たり前に感じていた不満”を取り除き、暮らしそのものを快適に変えていく存在。新しいビッグドラムはまさに、その価値を体現した1台だ。



家電スペシャリスト : 滝田勝紀 たきたまさき ConnectBeyondのファウンダー兼スーパーバイザー。ユース世代向けのライフスタイルカルチャーweb「Beyond magazine」を立ち上げる。 電子雑誌「デジモノステーション」の元編集長。All Aboutの家電ガイドとして活動中。楽天のショッピングSNS「ROOM」の家電公式インフルエンサーを務め、フォロワー数は56万人以上を抱える。ベルリンで毎年開催される世界最大の家電見本市「IFA」ほか、海外取材の経験も豊富。 最新の動きでは、スタイリスト窪川勝哉氏と、インテリアデザインとの調和を意識する家電をメーカーと協業開発するユニット「inCadenza(インカデンザ)」を組む。 この著者の記事一覧はこちら(滝田勝紀)

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