
【写真】下地紫野&茜屋日海夏、インタビュー撮りおろしカットが満載!
■「いつか一緒に何かやれたら」念願叶って夢のコラボに喜び
――『アイカツ!』と『プリパラ』がタッグを組み、映画化されると聞いた最初の印象を聞かせてください。
下地:とても驚きました。『アイカツ!ミュージックアワード みんなで賞をもらっちゃいまSHOW!』というライブシーンが中心の映画があったので、最初はそれをイメージしていたのですが、実際に台本を読んでみたら「しっかりしたストーリーがあるぞ!?」と(笑)。もちろんステージシーンもたくさん盛り込まれていて、「ただのお祭りじゃ終わらせない!」というスタッフさんの気合が伝わってきました。
茜屋:同じ局で10年もの間、一緒に並走してきたアイドルアニメです。もちろん存在は知っていて、「こんなに近くに同じテーマを扱った作品があるのなら、いつか一緒に何かをやりたいな」と個人的に思っていました。なので、2作品がタッグを組むと聞いた時は、率直にうれしかったですね。
――あかりとらぁらが会話するシーンからは、これまでにはなかった一面が見えたりと、映画ならではのキャラクター性を感じられるように思いました。お2人が「ここは映画ならではだなぁ」と思った瞬間はありましたか?
下地:あかりは中学生で、らぁらは小学生。歳の離れた子と一緒にアイカツすることが本編ではほとんどなかったので、あかりの「お姉さん」な一面が見られて、そこは新鮮に感じました。
茜屋:本当に。今作でのあかりちゃんは、ずっと頼れるお姉さんでした。また、紫野ちゃんの存在もそうです。アフレコは別録りで、私はすでに収録されている紫野ちゃんの声を聞きながらアフレコしたのですが、お芝居でもみんなを引っ張ってくれているという印象を受けました。
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下地:らぁらの無邪気さは『アイカツ!』にはないセオリーを持っていると感じました。らぁらがいなければ、あかりからは出なかったセリフがたくさんあって、そういう意味でらぁらには引っ張ってもらったと思います。
――下地さんは、『プリパラ』の存在をどう見ていたのでしょうか?
下地:私ももちろん『プリパラ』は知っていたのですが、その頃は『アイカツ!』で精一杯すぎて、茜屋さんのように「一緒に何かできたら」という考えにすら及びませんでした。大空あかりというキャラクターは、私がアニメで初めてオーディションに受かって勝ち取った役です。
毎回必死でアフレコして、それでも上手くいかなくて……落ち込んで帰った日が何度もありました。他作品を意識する暇がないくらい『アイカツ!』に必死だったので、そんな時代と共に生きた『プリパラ』の皆さんと掛け合いができて、とてもうれしいです。
――茜屋さんにとっても、らぁらが初めて演じた主人公です。その頃のアフレコを振り返って、いかがですか?
茜屋:私も、何もできなくて泣きながら帰った記憶があります(笑)。
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茜屋:そこまで初期に遡ることはなかったです。ただ、らぁらがいろんな出会いを経て成長していく姿や、神アイドルになる前の努力の日々、夢に向かってがむしゃらに頑張っている時の気持ちは演じながら思い出してきて、胸がグッとなる瞬間がありました。
下地:私も、コンスタントにとは言わないまでも、アニメが終わった後もあかりを演じる機会があったので、そこまで初期に返らずとも演じることができました。直近では『アイカツ!メモリアルステージ』の上映があって、そこに収録される新録パートで『アイカツ!』のキャスト陣と掛け合いできていましたしね。
ただ、それが久しぶりの『アイカツ!』の収録で、長めにみんなと掛け合えるとあって、気合が入り過ぎていました。それを指摘されていたので、今作のアフレコは「気合を入れすぎない」を目標にしていました(笑)。
――『アイカツ!』と『プリパラ』のキャストが揃った現場の雰囲気はいかがでしたか?
下地:スタジオの席が、やはり自然と『アイカツ!』側・『プリパラ』側に別れてしまったのですが、両作品に出演している伊藤かな恵さんが架け橋になってくれて、2つのチームを繋いでくださいました。
■作品を通じて抱く“ステージ”への想い「同じ時間を共有できる」「好きが集まる場所」
――キャラクターたちの「アイドル」や「ステージ」に対するひたむきな思いが描かれている『アイカツ!』と『プリパラ』。この作品を通じて、お2人は「アイドル」「ステージ」にどんな思いを抱いていますか?
下地:『アイカツ!』は歌唱担当がいるので、声優の私がステージに立つことは少ないです。ときどき声を掛けてもらえたり、お手紙をいただく機会もあるのですが、アニメの収録をしているだけだと一方通行で、あまりお客さんの生の反応を受け取れないんですよね。
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茜屋:上手く一言でまとめられないのですが、アイドル活動をしていたり、ステージに立っている間って、直前まで悩んでいたことがどうでもよくなっちゃうんですよ。私たち立っている側の人間も、見ているお客さんも、ただただ“好き”が集まった空間になるんです。まるで夢を見ているような。
たまに「あれ? 歌詞なんだっけ?」なんて雑念が混ざっちゃうこともありますが(笑)、間違ったとしても、それがステージの“生”の良さなんですよね。お互いの“好き”が組み合わさって、ただ楽しいだけの空間になる。それがステージだと思っています。
――では、この『アイカツ!』と『プリパラ』という作品は、お2人にとってどんな存在ですか?
茜屋:私の役幅を広げてくれた作品です。キャラクターを通せば、自分は何にでもなれると教えてもらいました。それまでの私は、「かわいい」という役柄・表現は絶対にできないと思っていたんです。それが、らぁらを演じたことで私もかわいくなれるし、表現の幅だけじゃなくて、可能性も広げてもらったような気がしています。
下地:私にとっての『アイカツ!』は……「SHINING LINE *」です。『アイカツ!』は色んな意味で“継承の物語”で、ストーリーはもちろん、10年前にアニメを見ていた人たちが大人になって、あかりの思いを受け継いでくれています。実際に、仕事現場でご一緒した方で「『アイカツ!』を見て声優になりたいと思いました」と言ってくださる方もいて。私の声優としての道も明るく輝かせてくれたので、やっぱり『アイカツ!』は私にとっての「SHINING LINE *」です。
(取材・文:米田果織 写真:吉野庫之介)
映画『アイカツ!×プリパラ THE MOVIE ‐出会いのキセキ!‐』は、全国公開中。