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<パ・CSファイナルステージ:ソフトバンク2−1日本ハム>◇第1戦◇15日◇みずほペイペイドーム
パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージが開幕し、ソフトバンクが日本ハムに先勝した。
1−1の延長10回1死満塁で山川穂高内野手(33)が左前に劇的なサヨナラ打。昨季もCSファイナルで最優秀選手(MVP)に輝いた男が大事な初戦でヒーローになった。過去に日本シリーズをかけたプレーオフ、CSで2勝0敗としたチームの突破率はパ・リーグでは100%! リーグ王者が一気に突き進む。
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劇的な幕切れに、山川が右のこぶしを突き上げた。一塁ベース付近では思わず「危ねぇ〜」と絶叫し、何度も胸をさすった。一塁側ベンチから駆け寄ってきた仲間から手荒い祝福を受ける。耳をつんざく4万人を超える観客の大歓声がドームに響き渡った。
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「ラッキーですね。このヒットはかなり大きいですね」
一打サヨナラの場面で決めた。1−1の同点で迎えた延長10回1死満塁。「普通に振ろうと思った」。心は冷静も、打席に立つ目は血走っていた。初球だ。日本ハム玉井の外角139キロカットボールをたたく。打球は大きく弾み、前進守備の相手三塁手の頭上を越えていった。併殺? も一瞬よぎった一打だっただけに「まじでサードゴロかと思って…。ヤバい終わったと思ったら、こういうこともあるんですね。思い切って振ったからあれだけ(打球が)跳ねた」。迷いなくフルスイングした分、幸運な殊勲打となった。
真っ黒に日焼けした姿が充実感を物語る。2年連続でみやざきフェニックス・リーグ参加を志願。南国の地で計4試合に出場した。主力組は福岡で調整するも、若手にまじって懸命に汗を流した。打った、打てなかったかは別として「(宮崎に)行ったことによって体が動く」。試合後は居残り特打を敢行。ランニングのメニューもこなした。負けられないポストシーズンに向け、妥協はなかった。
移籍2年目の今季は極度の不振で定位置だった4番から外れ、2軍落ちも経験。ともにチーム最多23本塁打、62打点も、納得のいくレギュラーシーズンとは程遠かった。チームはリーグ連覇も、悔しさの方が募る。「やっぱり打てないと面白くないですよね」が本音でもあった。汚名返上へ、短期決戦に懸ける思いは人一倍強い。
日本シリーズ進出まで、あと2勝。「勝ったことが一番。明日も勝って、明後日もまた勝って。すぐ終わらせたいですね」と一気の3連勝スイープを見据えた。昨季はCSファイナルで全3試合に出場して打率5割、3本塁打、6打点でMVPに輝いた。目をぎらつかせた山川が、今年もシリーズ男として勝利の一打に徹する。【佐藤究】
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