10月は後半に突入 晩秋を迎えるも慌ただしい南の海上 11月も台風発生に注意を

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2025年10月20日 19:10  日本気象協会

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日本気象協会

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今月18日(土)午前3時に発生した台風24号は、東から西へ吹く貿易風に流され、フィリピンを通過したあと20日午後3時には南シナ海を西よりに進んでいる状況です。日本には直接の影響はありませんでしたが、これから11月にかけてもまだ油断ができません。過去には11月に入ってから台風が日本列島に接近し、上陸したケースもあります。日ごろから大雨への備えをしておくことが肝心です。

台風発生のカギとなる南の海上の海面水温

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気象衛星ひまわりで雲の様子を確認すると日本のはるか南の海上には白く輝く雲が確認できます。これは積乱雲によるもので、発達するほど白色が濃く見えます。発達のカギとなるのは雲の直下の海面水温です。最新の海面水温の分布では、台風の発達の目安となる27℃以上の範囲がまだ日本の南海上に広がり、南の海上では30℃以上とまるで蒸し風呂状態となっています。現在、南の海上に確認できる雲が渦を形成し、熱帯低気圧⇒台風に発達することはないとみられますが、今後、同様の雲が発生し、急発達することでいつ台風発生になってもおかしくない状況です。

過去10年の日本への台風発生数

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2015年から昨年2024年までの10年間の発生数を月別に確認します。8月の60をピークに9月も49と多くなっています。ピーク時と比べると半減しているものの、11月は25個発生し、そのうち4個が日本に接近しています。近年では去年2024年の11月上旬に、南西諸島に接近した台風22号と停滞前線の影響で、沖縄県や鹿児島県の奄美地方で記録的な大雨に見舞われ、運用開始以来初めて、11月に大雨特別警報が発表されました。そのほか、1990年の11月30日には過去最も遅く本州の南端に位置する和歌山県に上陸した事例があります。
11月に入ってもまだ台風が発生し、日本付近に接近する可能性があり、油断はできません。ハザードマップの確認や非常持ち出し袋の確認など台風への備えを進めておくと良さそうです。

ハザードマップや避難場所の確認をする

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国土交通省や各自治体のホームページなど、インターネットからハザードマップを入手することが可能です。ハザードマップは随時更新されますので、定期的に確認するようにしましょう。
ハザードマップを確認して、家の周辺で浸水(河川浸水・高潮浸水など)の可能性がある場所や、土砂災害(崖崩れ・土石流・地すべりなど)の危険性の高い場所を把握しておきましょう。
避難場所(指定緊急避難場所)を確認しておきましょう。避難場所は災害の種類によって異なります。「浸水や土砂災害の場合の避難場所」をしっかり確認するようにしましょう。
避難場所までの避難経路を知っておきましょう。河川が増水した場合や高潮・高波でも安全に避難できるか確認してください。
周辺地域で過去に起きた災害を把握し、起こりやすい災害を知っておきましょう。

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