
「清月窯」の“砥部のおいさん”の器や箸置きを手にする吉田明世(左)とユージ
◆250年以上の歴史を誇る「砥部焼」
「JAPAN TRADITIONAL CRAFTS WEEK(以下、ジャパン トラディショナル クラフツ ウィーク)」は、日本各地で作られる「伝統的工芸品」を東京都内のライフスタイルショップで紹介・販売する14日間のイベントです。創り手と売り手、そして使い手をつなぎ、工芸品の産地を応援していくもので、今年は30の伝統的工芸品と、都内のライフスタイルショップ30店舗の参加が決定しています。
このコーナーでは、参加している伝統的工芸品の中から毎週1つずつピックアップして、その歴史や特徴、作り手の思いなどにフォーカスしていきます。まずは今回紹介する、愛媛県の伝統的工芸品「砥部焼(とべやき)」の歴史や特徴について、1953年創業の愛媛県砥部町の窯元「清月窯(せいげつがま)」3代目の野村和孝さんにお話を伺いました。
砥部焼は、愛媛県砥部町を中心に作られている約250年の歴史を持つ磁器です。地元で採れる砥石(といし)と呼ばれる石を砕いたものを原料としており、1200度以上の高温で焼成されるため、硬くて丈夫な焼き物になるのが特徴です。
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そもそもは江戸時代に、砥石を切り出す際に出る砥石くずを原料として焼き物作りが始まったのが、現在の砥部焼のルーツです。藩が財政の助けとするために、磁器の産地から陶工を招いて生産を奨励し発展しました。「現在、砥部町には80軒から90軒ほどの窯元があり、それぞれの窯元が異なる作風を生み出しています。杉野丈助さんという方が苦心の末、白磁の焼成に成功したのが1777年。再来年で250年目を迎えます」と語ります。
明治以降は、東南アジア向けの飲食器の産地として生産を伸ばしましたが、戦後は手作りと手書きを重視した伝統的工芸品の磁器の産地へと変化していったそうです。
◆「白磁に藍の焼き物」の作風を直接感じてみて
今年の「ジャパン トラディショナル クラフツ ウィーク 2025」では、「砥部焼」の製品が、銀座エリアの「FUJITAKA TOWEL GINZA(フジタカ・タオル・ギンザ)」で展示・販売され、10月25日(土)と26日(日)には「砥部焼 絵付け体験」のワークショップが行われます。
「砥部焼といえば、唐草模様をイメージされる方もいらっしゃると思うのですが、その唐草模様を描かれる方で、砥部で現存するなかで最も歴史のある『梅山窯』さんの作品が展示販売されます。そして、私の清月窯の作品も販売いたします。先代から引き継いだ「白磁に藍の焼き物」と、私の妻(野村千春さん)のブランド『トリネコ屋』というのですが、鳥や猫などの動物をモチーフにしたものや、寝転んだ私をモデルにした絵付けやデザインなど、これまでの砥部焼にないような作風が特徴となっております」と野村さん。
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ユージは「自分だけの食器が作れるということです」とワークショップに興味を示します。吉田は「清月窯」の湯呑みや小鉢、置物を目に前にして、果敢に新しいデザインにもチャレンジしている点を挙げ、「“寝転んだ野村さん”がモデルになっているデザインは“砥部のおいさん”って名付けられていてカワイイ」とお気に入りの様子でした。
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「ジャパン トラディショナル クラフツ ウィーク2025」の詳細は、公式サイトでご確認ください。
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<番組概要>
番組名:ONE MORNING
放送日時:毎週月曜〜金曜6:00〜9:00
パーソナリティ:ユージ、吉田明世
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