「ブレーキ役」公明の離脱で急加速の安全保障政策 今年度中の防衛費増額に憲法改正の下準備... 自維政権はどこに向かう?【サンデーモーニング・風をよむ】

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2025年10月26日 14:42  TBS NEWS DIG

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高市政権の誕生とともに自民・公明の連立が崩れ、維新が新たなパートナーに。大きな変化が安保政策にあらわれています。

【写真で見る】安保政策に大きく踏み込んだ自維の連立合意書

斉藤代表「危ういものを感じる」  公明離脱で政策方針に大転換

高市総理の所信表明演説に拍手がわき起こる中、固い表情を崩さない公明党の斉藤代表。

高市総理(衆院本会議・24日)
「政権の基本方針と矛盾しない限り、各党からの政策提案をお受けし、柔軟に真摯に議論してまいります」

斉藤氏はこの部分に反発しました。

公明党 斉藤鉄夫 代表
「『我々(政権)の方針と矛盾しないか、矛盾すれば議論しない』と読めます。私はその一文に、ものすごく危ういものを感じました」

自民・公明に代わって誕生した自民・維新という新たな連立。

高市総理
「国家観をともにする政党として、政策協議に対応していただき」

日本維新の会 吉村洋文 代表
「御党と国家観、日本を強くしたいという思いを一にしている」

同じ“国家観”を共有するという両党の連立によって、政策の方向性は大きく変わろうとしています。

「ブレーキ役」公明に代わり... 憲法改正に前向きな維新が連立パートナーに 

26年にわたった自公の協力関係。
例えば、6年前の参院選で与党が勝利し、当時の安倍総理が憲法改正の議論に民意を得たと主張した際。

安倍総理(当時・2019年)
「少なくとも(憲法改正の)議論は行うべき。これが国民の審判であります。野党の皆様には、この民意を正面から受け止めてもらいたい」

ところが、これに公明党は...

公明党 山口那津男 代表(当時・2019年)
「選挙で民意が得られた。何の民意が得られたのか、さっぱりわかりませんが」

安倍氏が目指した憲法9条への自衛隊明記などを巡って、あくまで慎重姿勢を崩しませんでした。
また、岸田政権が閣議決定した、新たな安全保障関連3文書についても、他国の領域を攻撃できる能力を保有することに、公明党は慎重でした。

「平和の党」を標榜する公明党は、自らの役割をこう語っています。

公明党 山口那津男 代表(当時・2021年10月)
「車に例えれば公明党はアクセルとブレーキ、そしてハンドルこれらを使い分けて政権を安定させている、こう自負しております」

政権の「ブレーキ役」を自認してきた公明党。今回、その公明党に代わって連立パートナーとなったのが、日本維新の会です。

看板政策の一つに憲法改正を掲げる維新。自民党総裁選の直前には...

日本維新の会 藤田文武 共同代表(9月18日)
「わが国の憲法、そして安全保障の構想についてこのままでいいのかと。憲法9条2項削除も含め、進めていく」

「戦力」を持たないことなどを定めた憲法9条2項の削除や、「国防軍」の明記などを盛り込んだ、憲法改正に関する提言をとりまとめています。

今回、自民と維新との間で結ばれた連立合意書。これまでの自公の合意とは大きく様変わりし、具体的内容に踏み込んだものでした。

憲法改正の下準備も 急加速する安保政策で自維政権はどこに向かう?

例えば、2024年9月の自公合意では、憲法改正について「国民的議論を深め、世論の合意形成をめざす」と記すに留まっていましたが、今回は、憲法9条改正に関し、「条文起草協議会」の設置など、具体的な準備を提案しています。

高市氏も...

自民党 高市総裁(20日)
「憲法改正につきましては特に自民党と日本維新の会、考えていることについては共通点が多い。できれば、具体的な改正条文案を提出できる、そういった形に仕上げていきたい」

また、外交安全保障についても、自公の合意では「防衛力の抜本的な強化を進める」など、曖昧な記述に留まります。
ところが、自民と維新の合意では、防衛戦略を定めた「安保3文書を前倒しで改定する」と、具体的内容を明記。3文書改定によって、防衛費のGDP比2%への増額を、今年度中に前倒しして行う方針です。

高市総理(21日)
「防衛3文書につきましては、もう最近の戦いの対応がずいぶん変わってきたと思っております。様々な形で日本にとってはまだまだ取り組みが足らない、これからもっともっと強くしていかなければいけない分野がある」

そして合意書には、「長射程ミサイル等の整備」、原子力潜水艦を念頭に置いたとみられる「長距離の移動・潜航を可能とする潜水艦の保有」などの具体的な文言が並びます。

小泉進次郎 防衛大臣(25日)
「私自身、防衛外交を展開する中で(防衛装備品の)トップセールスを強化していきたい」

さらに合意書で示されたのが「5類型の撤廃」。これまで輸出できる防衛装備品は、戦闘を目的としない5つの目的に限られていましたが、その撤廃が明記されたのです。

また、自公合意では触れられなかった「スパイ防止関連法制の成立」や、内閣情報調査室を格上げし「国家情報局を創設」するなど、国内外の情報収集を強化する内容も盛り込まれました。

これまでの自公から急旋回したように見える自民・維新の連立政権。どこへ向かうのでしょうか。

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  • 安倍の言うように「建設国債」でやるか統一教会が言い続けてきたように日本人の生活水準を引き下げてでも「税金」でやるか。前者希望。
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