トランプ米大統領(左)を出迎え、握手を交わす高市早苗首相=28日、東京・元赤坂の迎賓館(代表撮影) 高市早苗首相は28日、来日中のトランプ米大統領と東京・元赤坂の迎賓館で初の対面会談を行い、日米同盟の強化で一致した。首相は「同盟の新たな黄金時代を共につくり上げたい」と表明。日本が主体的に防衛力の抜本的強化と防衛費増額に引き続き取り組む決意を伝えた。トランプ氏は「日本は最も重要な同盟国だ」と明言した。
会談は昼食会を合わせて約1時間半行われた。首相は「日本も米国と共に世界の平和と繁栄に貢献する」と強調。両首脳は「自由で開かれたインド太平洋」を共に実現する方針で一致し、日米韓、日米比、日米豪印といった同志国連携の一層の推進を確認した。
トランプ氏は日本のこれまでの防衛費増額や米国製装備品の購入を評価した。首相は28日夜に首相官邸で記者団に対し「防衛費の規模感については(トランプ氏から)話はなかった。数字を念頭に置いたやりとりはなかった」と明らかにした。
日米首脳は中国、北朝鮮など地域情勢を巡っても意見を交わした。30日に韓国で米中首脳会談が予定される中、対中認識を擦り合わせ、台湾海峡の平和と安定の重要性を確認した。
トランプ氏はこれまで北朝鮮を「核保有国」と言及している。日米首脳は会談で、北朝鮮の「完全な非核化」に対するコミットメントを再確認した。ロシアのウクライナ侵攻終結に向けても議論した。
レアアース(希土類)や重要鉱物の調達、人工知能(AI)といった重要技術、造船能力の向上など経済安全保障分野の連携拡大も確認。両首脳は(1)重要鉱物のサプライチェーン(供給網)強化(2)日米関税交渉の合意履行―の二つの合意文書に署名した。

日米首脳会談の歓迎行事で儀仗(ぎじょう)隊の栄誉礼を受けるトランプ米大統領(中央)。左は高市早苗首相=28日午前、東京・元赤坂の迎賓館(代表撮影)

署名式を終え、笑顔を見せるトランプ米大統領(左)と高市早苗首相=28日午前、東京・元赤坂の迎賓館(代表撮影)