まるでスポンジのように耐久レースを学び吸収するフレデリック・ベスティ。F1の経験も助けに

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2025年10月30日 07:10  AUTOSPORT web

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IMSA最終戦プチ・ル・マンで優勝した31号車キャデラックVシリーズ.Rのドライバーたち。左からジャック・エイトケン、アール・バンバー、フレデリック・ベスティ
 フレデリック・ベスティは、アクション・エクスプレス・レーシング(AXR)で過ごしたIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権におけるGTPクラス参戦初年度の自身について、キャデラック・ウェーレンのチーム内でスポンジのような存在だったと語った。

 メルセデスF1チームのテストおよびリザーブドライバーを務めるデンマーク出身の23歳は、今季2025年のIMSAミシュラン・エンデュランス・カップやル・マン24時間レースなど7つのレースで『キャデラックVシリーズ.R』のドライバーとしてプログラムに参加した。

 2023年のGTPチャンピオンチームであるAXRはシーズン序盤こそ苦戦したが、ベスティとチームメイトのアール・バンバー、ジャック・エイトケンはシーズン最終の2戦で連勝を達成。この結果、フルシーズン参戦ドライバーであるエイトケンはドライバーズランキング2位に躍進することとなった。

 今季のIMSA最終戦ロード・アトランタでの10時間レース前夜、Sportscar365のインタビューに応じたベスティは、トップカテゴリーであるGTPクラスでの初年度に満足感を示した。

「IMSAのレースは本当に楽しかった。昨年、プチ・ル・マンでLMP2クラスを初めて体験したが、その時点ですでにこの2025年シーズンのウェーレン・キャデラックとの契約は決定していた」

「チームは本当に温かく迎えてくれたんだ。アール(・バンバー)とジャック(・エイトケン)がチームメイトになったことは、僕にとって間違いなく大きな財産だ。ふたりとも非常に経験豊富で速いドライバーだし、彼らから学ぶことは山ほどある」

「チーム内では僕を『スポンジ』って呼んでるみたいだね。だって、本当に何でも吸収してるからね」

「耐久レースの世界ではまだまだ新参者だと思っているよ。2年目だけど、F1を目指すフォーミュラシリーズの階段を登ってきた身としては、耐久レースへの転向は確かに大きな変化だ」

「しかし、多くの点で良い変化でもある。レースには多くの課題があり、とくにトラフィックはシングルシーターからの転向時に大きな疑問符が付く要素だ」

「シーズン全体としては期待どおりの結果とは言えなかった。インディアナポリス(第10戦)での優勝は明らかに大きな助けとなったよ。僕たちはそれを目指して多くの努力を重ねてきたんだ」

「優勝の可能性は以前からあった。ただ、タイミングが合わなかっただけだね。そして、ついにインディアナポリスで初優勝を果たし、来シーズンに向けて大きな自信を得ることができた」

 メルセデスAMGのF1マシンで定期的に走行時間を確保し、先週末のメキシコシティGPではFP1の任務を終えたばかりのベスティだが、キャデラックVシリーズ.Rの習熟に向けた道のりは険しいという。

「このマシンは本当に複雑だ。F1マシンも複雑だと思うかもしれないが、これはまったく異なる次元で非常に複雑なんだ」

「僕はメルセデスのF1マシンは隅々まで熟知している。過去5年にわたって携わってきたから、ほぼすべてを把握していると言っていい」

「LMDhカーへの移行は明らかにに挑戦だった。共通のシステムもあるが、異なるシステムも存在する。適切なタイミングでの操作方法を学び、すべてを記憶することが課題だね。まったく異なるものだからさ」

「レースの面でもね。デイトナでの最初のラップを思い出すよ。リスタートでトップを走り、後ろにはニック・タンディ(7号車ポルシェ963)がいたんだ。簡単じゃない。彼は何年もこの世界で活躍し、ほぼすべてを勝ち取ってきた男だ」

「この挑戦こそが今年もっとも刺激的なことのひとつだ。クルマに乗るたびに何かを学んでいる。それが大きなモチベーションになっているよ」

 また、昨年クール・レーシングでELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズにフル参戦した彼は、1月のGTPデビュー以来、キャデラックに対する基礎的な理解が大きく向上したという。

「デイトナでは、余裕を持って走らせる必要があった。なぜなら、冷えたタイヤやアウトラップなど、つねに未知の要素があり、(ピットアウト後に)グリップが感じられないのはF1やFIA-F2とはまったく異なる環境だった」

「こうしたレースで大きな差を生む細かい要素に対し、今は限界に近づくことができるようになった。つまり、パフォーマンスを発揮できる幅が広がったんだ」

「これは経験とレースを通じた学びの賜物だ。多くの進歩を遂げたが、まだ成長の余地がある。それがワクワクする理由さ」


■F1経験がLMDhへの転向を助けた

 ベスティは、ハイブリッド駆動のF1マシンでの走行経験がキャデラックのLMDhマシンへの適応を助けたと確信しており、GTやLMP2のみの経験では当初苦労するだろうと示唆している。

「LMP2の経験だけでこのマシンに乗り込むなら、間違いなく大きなチャレンジになるだろうね。少なくとも10項目は、これまで聞いたこともないことを一から探求する必要がある」

「僕にとっては、少なくとも80%は過去に扱ったことがあるものだった。ただ、このマシン特有の部分だけが挑戦になったよ」

「GTカーやLMP2から移行する場合、こうしたGTPマシンに乗り込むのは非常に大きな挑戦だ。正直言って、これらは宇宙船のようなものだよ」

[オートスポーツweb 2025年10月30日]

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