“現役最多勝男”チアゴ・カミーロ(イピランガ・レーシング/トヨタ・カローラクロス)が記録更新の通算42勝目を飾っている 新世代SUVによるシーズンもいよいよ終盤戦。約6年ぶりの開催となるアウトドローモ・オーランド・モウラでのSCBストックカー・ブラジル"プロシリーズ"第9戦は、灼熱の予選からトヨタ勢が先行しチアゴ・カミーロ(イピランガ・レーシング/トヨタ・カローラクロス)が今季8人目、キャリア通算29回目のポールポジションを獲得。そのまま土曜に実施されたスプリントではミツビシ陣営が逆襲に転じ、シリーズを席巻してきたエクリプスクロスがワン・ツー・スリーの表彰台独占を獲得し、ブランド通算25勝を達成する。そして日曜のメインレースは雨絡みで気温も急激な降下を見せるなか、ポールシッターの“現役最多勝男”カミーロが他を寄せ付けず、記録更新の通算42勝目を飾っている。
ブラジル西部マット・グロッソ・ド・スルの州都カンポ・グランデに位置する、アウトドローモ・オーランド・モウラで約6年ぶりに開催される一戦は、1979年から継続開催されている50年近い歴史を誇るシリーズでも通算650戦目の節目という記念すべき瞬間とも重なった。
そんななか始まった10月24〜26日の週末は、気温が36℃を超える猛暑のなかシェイクダウンと2回のフリープラクティス(FP)セッションが実施され、参戦31台中実に半数近くがこの全長3533mのトラック初走行となるなか、リカルド・ゾンタ(RCMモータースポーツ/ミツビシ・エクリプスクロス)が最速発進を決める。しかし明けた土曜は同地通算2勝、5回の表彰台を獲得しているカミーロが躍進し、予選に入って3つのセグメントすべてを制圧する完璧なラップタイムを記録して今季初ポールを射止めた。
「カンポ・グランデは昔から大好きで、いつも良い成績を残してきた。しかしコースへの適応力の有無に関わらず、これは週末のプロセスの一部でしかないことを僕たちは理解している」とフロントロウをフェリペ・マッサ(TMGレーシング/シボレー・トラッカー)とシェアしたカミーロ。
「つまりドライバーやチームが100%完璧な仕事をしなければ何も達成できないが、Q1以降マシンは完璧だった。各セグメントで完璧にラップを合わせるというアドバンテージを得ることができたし、背後に0.1秒以上の差をつけられたのは、自分とチームが素晴らしい仕事をした証さ」
引き続き気温は猛暑日を超え、路面温度が50℃に達する厳しい条件のなか、土曜スプリントを前にドラマが発生。予選12番手でリバースグリッド規定のフロントロウを得たラファエル・レイス(CARレーシング・スターリング/トヨタ・カローラクロス)は、選手権2位のガエターノ・ディ・マウロ(ユーロファーマRC/ミツビシ・エクリプスクロス)と並んでスタートを切る予定だったが、再車検の結果グリッド降格処分を受けることに。
その結果ディ・マウロがシリーズ史上650戦目の優勝を手にし、今季通算4勝目。これで序盤にリタイアを喫した僚友フェリペ・フラーガ(ユーロファーマRC/ミツビシ・エクリプスクロス)に代わりランキング首位に浮上する。その背後には3番手発進だったベテラン、アラム・コデア(ブラウ・モータースポーツ/ミツビシ・エクリプスクロス)と、同じく経験豊富なネルソン・ピケJr.(スクーデリア・バンデイラス・スポーツ/ミツビシ・エクリプスクロス)が続き、ミツビシ陣営がポディウムを占拠。さらに4位にも金曜最速のゾンタが続いてエクリプスクロスが1-2-3-4を達成した。
「とても良かった。(前戦の)ヴェロチッタはとても難しかったが、巻き返すことができた。フラーガの件は残念だが、競争力のあるマシンに乗れたことをうれしく思うよ。チームには祝福の言葉を送るべきだし、我々の最大の目標であるタイトル獲得を目指して全力を尽くすよ」と喜びを語ったディ・マウロ。
そして連日の猛暑の後、予報どおり曇り空で迎えた日曜は、早朝から雨に見舞われ決勝メインレースのスタート直前にも再び雨が降り始める。前日から急降下した温度条件で予測不能な展開となるなか、セーフティカー(SC)先導のもとポールポジションからスタートしたカミーロは、中盤に雨量が大幅に増加しSCが再出動する状況でもフィニッシュまでポジションを譲らず。同じく大ベテランのフリオ・カンポス(クラウン・レーシング/トヨタ・カローラクロス)、そして前日はリタイアに泣いたフラーガを従えてのキャリア通算42勝目を挙げた。
「イピランガ・レーシングの皆の働きには感謝しかない。ここまでの週末はパフォーマンスが伴わず、良いレースができたとはいえ何かが欠けていると感じていたからね」と、SC解除後の最終ラップ・スプリントも制したカミーロ。
「チームはこのブレイク期間中、懸命に働いた。競争力を取り戻すために眠れない夜もあったが、チャンピオンシップの重要な局面で対応できたことを喜ばしく思う。チャンピオンシップでミツビシに追いつくのは非常に厳しい戦いになるだろうが、本当に祝うべき結果だ」
これで3位表彰台によりフラーガが再度のポイントリーダーに復帰した2025年の新生SCBシーズン。次戦は南米大陸のほぼ中央に位置する中西部マットグロッソ州の州都、クイアバにあるアウトドローモ・インテルナシオナル・デ・マットグロッソを初訪問し、第10戦として11月13〜15日に史上初のナイトレースが開催される。
[オートスポーツweb 2025年10月31日]