警察署に連行後、容疑者死亡＝警官４人で制圧し現行犯逮捕―警視庁

　警視庁は１０日、器物損壊容疑で現行犯逮捕後に警察署に連行した容疑者の男が、取り調べを始めようとした際に突然呼吸が停止し、搬送先の病院で死亡したと発表した。男は３０代とみられるが所持品はなく、同庁は身元確認を急ぐとともに、死因の特定を進める。

　同庁地域総務課によると、９日午後５時半ごろ、東京都豊島区西池袋の路上で「タクシーを殴っている人がいる」と付近の交番に目撃者から届け出があった。池袋署員が駆け付けたところ、フロントガラスを素手で殴っている男を発見し、４人で手足などを押さえて制圧し、現行犯逮捕した。

　男がその後も暴れ続けたため、ビニール製の保護シートでくるんで池袋署へ連行。シートを外して取り調べを開始しようとしたところ、小刻みに震えるなど様子がおかしくなり、呼吸が停止したため１１９番した。男は同日午後７時半ごろ病院で死亡が確認された。

　男は現場で警察官に取り押さえられた際、「死にたい」などと話していたという。

　羽田保義・地域総務課長の話　制圧状況などに問題があったとは確認されていないが、今後さらに調査していく。