高市首相「物価に負けないベアを」=賃上げ定着へ意見交換―政権初の政労使会議

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2025年11月25日 19:02  時事通信社

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政労使の意見交換で発言する高市早苗首相(中央)=25日午後、首相官邸
 政府は25日、労働界、経済界の代表との「政労使会議」を首相官邸で開いた。高市政権では初の開催。継続的な賃上げ実現に向けた環境整備などについて意見交換し、来年の春闘に向けた機運醸成を図る狙いだ。高市早苗首相は「物価上昇に負けないベースアップの実現に向けた協力をお願いする」と、賃上げ定着を呼び掛けた。

 会議には労働界から連合の芳野友子会長、経済界から経団連の筒井義信会長、日本商工会議所の小林健会頭らが出席した。首相は会議で「賃上げを確かなものとする」と強調。「(これまでと)遜色のない水準の賃上げ」を求めた。

 2024年と25年の春闘では、2年連続で5%台の賃上げが実現した。一方、食料品をはじめとする価格高騰が続き、物価変動の影響を除いた実質賃金はマイナス基調から抜け出せていない。米関税や日中関係悪化などで先行きが見通しにくい中、大幅な賃上げを持続できるかが焦点となる。

 会合では、政府側が21日に閣議決定した総合経済対策に盛り込んだ中小企業への成長投資支援など、賃上げを後押しする1兆円規模の取り組みを説明。こうした政策を浸透させるため「地方版政労使会議」を全国で実施する方針も示した。

 経済界からは、政府に対し価格転嫁の推進や中小企業の生産性向上のための支援、コスト増の要因となっている円安対策を求める声が上がった。

 経団連の筒井会長は会議終了後、記者団の取材に応じ「賃上げの力強いモメンタム(勢い)をさらに定着させたい強い思いで臨むと伝えた」と説明。連合の芳野会長はこれまでの高水準の賃上げを踏まえ、「来年の春闘に向け、これを継続していく」と強調した。 

政労使の意見交換で、高市首相の発言を聞く経団連の筒井義信会長(左から3人目)、連合の芳野友子会長(同2人目)ら=25日午後、首相官邸
政労使の意見交換で、高市首相の発言を聞く経団連の筒井義信会長(左から3人目)、連合の芳野友子会長(同2人目)ら=25日午後、首相官邸
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