BMWワークスドライバーとして、WECでBMW Mハイブリッド V8をドライブするレネ・ラスト DTMドイツ・ツーリングカー選手権で3度のチャンピオンに輝いたレネ・ラストは、2026年に同シリーズから一時的に引退する理由について、「家族と過ごす時間を増やしたいため」と説明した。
現在、BMWのファクトリードライバーを務めるラストは、過去10年間DTMの強豪として活躍してきた。2016年にアウディから同シリーズに初参戦すると、翌年にはタイトルを獲得。さらに2019年と2020年にもタイトルを獲得した。
ラストは2018年にもランキング2位を獲得しており、シリーズデビュー後は、DTMがGT3規定を導入した2021年のみ、参戦していなかった。
しかし、39歳のラストはDTMでの活動と、フォーミュラEやWEC世界耐久選手権など他のカテゴリーでの活動が定期的に重なっており、2026年には過密スケジュールの緩和を模索していた。
シューベルト・モータースポーツでシーズン6位に終わったいま、DTMからの離脱は自身の決断だと語り、先月発表された際には「一時的な引退」と表現していたラストは、レーストラックから離れて過ごす時間が増えることを楽しみにしている。
「自分と家族のために、もう少し自由な時間を持ちたいと思っただけだ」とラストはSportscar365に語った。
「ここ5、6年はDTMとWEC、あるいはフォーミュラEとWECのダブルプログラムに常に参加しており、年間250日も家を空けているような状況で、常に非常に厳しいものだった」
「家にはふたりの子どもがいて、僕にはプライベートな生活もある。だから、もう少し自分の時間を持ちつつ、レースにも参加したかったというわけで、今回の決断に至ったんだ」
「BMWには来年DTMに参戦しないかもしれないと伝え、彼らはそれを全面的に了承してくれた」
しかしながらラストは、将来的にレースカレンダーをもっと充実させたいと思った場合、この決断を覆す可能性もあると認めた。
「冬の間に退屈になったら、また考えを変えるかもしれない」と彼は付け加えた。
「だけど、いまはひとつのプログラムに集中するつもりだ」
WECにおいては、2025年は厳しいシーズンを送った。シェルドン・ファン・デル・リンデ、ロビン・フラインスとともに20号車BMW Mハイブリッド V8をドライブしたが、表彰台はわずか1回のみ。ランキング9位に終わったが、ラストは来シーズンもWECに参戦するものと見られている。
ラストは、デイトナ24時間レースのような単発レースをメインプログラムに加える可能性もあると述べたが、現在はひとつの選手権に集中するつもりだという。スケジュールに追加できるレースについて尋ねられたラストは、「冬が近づいているので、来年のことを考えるのに少し時間が必要だ」と答えている。
2025年には、ラストはIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権とGTワールドチャレンジ・ヨーロッパ にも単発で参戦していた。
[オートスポーツweb 2025年11月26日]