アイアン・デイムスがWEC撤退を発表。女性ドライバー擁し「才能に性別は関係ないことを証明」

女性ドライバートリオを擁してWEC世界耐久選手権に参戦してきたアイアン・デイムス（ラヘル・フレイ／ミシェル・ガッティン／セリア・マルタン）

　アイアン・デイムズは11月27日、ソーシャルメディアでの声明で、来季2026年のWEC世界耐久選手権においてLMGT3プログラムを継続しないことを明らかにした。

　パドックの中で唯一、女性ドライバーのみで構成されるこのチームは今シーズン、ランボルギーニからポルシェにGT3メーカーをスイッチし、ドイツメーカーとのパートナーシップの一環として、ポルシェ911 GT3 RでWECのGTカテゴリーに参戦していた。

　しかし、NTTインディカー・シリーズでプレマ・レーシングのシリーズ参戦にも関与している親会社DCレーシング・ソリューションズの財政問題により、アイアン・デイムズとアイアン・リンクスの今後の展開が憶測の的となっていた。

　アイアン・リンクスのアンドレア・ピッチーニ代表とメルセデスAMGカスタマーレーシングの責任者ステファン・ウェンドルは、Sportscar365に対し、AMG GT3でのプログラムは2026年も継続される予定であると述べたが、アイアン・デイムズ側は木曜日に、ポルシェLMGT3のエントリーが来年のシリーズに登場しないことを別途発表した。

「この発表に驚かれたり、感情的になられる方もいらっしゃるかもしれません」とチームは声明で述べた。

「しかし、これは意図的な変化であり、私たちの長期的なビジョンを強化するものです。これは進化と常識を再定義し続けるパフォーマンス重視のプロジェクトにとって、新たな一歩となります」

「2021年のFIA WEC以来、アイアン・デイムズは世界の耐久レースの頂点に立ち続け、才能に性別は関係ないこと、決意は山を動かす力を持つこと、そしてモータースポーツの最高峰の舞台に女性が存在できると証明してきました」

「5シーズンにわたり唯一の女性のみのラインアップとして、私たちはただ参戦しただけでなく、レースのストーリーを再構築し、文化的な足跡を残してきました。2023年のバーレーンでの歴史的な勝利のような忘れられない瞬間もありました」

「レースは私たちの基盤であり、原動力であり、そして今もなお私たちのもっとも強力なフロンティアのひとつです。そしてもちろん、2026年も多くのレーストラックに登場する予定です。アイアン・デイムズと若い才能たちが、このプロジェクトの未来をさらに強固なものにしてくれるでしょう」

「アイアン・デイムズの精神は、決してひとつのグリッドだけに宿るものではありません。私たちの旅は、立ち止まることは決して選択肢ではないことを教えてくれました」

「私たちの目的は、次のステップ、つまり常に上昇し続け人々にインスピレーションを与え続け、大きな夢を持ち続けるという使命にあります。サーキットで始まったものが、モータースポーツの枠をはるかに超えた力強いムーブメントへと成長しました。そしてあなたもその一部なのです」

　アイアン・デイムズは、世界選手権に参戦していた間、フェラーリ、ポルシェ、ランボルギーニで活躍した。

　サラ・ボビー、ラヘル・フレイ、ミシェル・ガッティン、セリア・マルタンがドライバーラインアップの中核を担い、ドリアーヌ・パン、クリスティーナ・ニールセン、キャサリン・レッグ、マヌエラ・ゴスナーといった女性ドライバーも同チームからWECに出場している。

　彼女たちベストリザルトは、チームの声明の中にもあった2023年のバーレーン8時間レースで、ボビー／フレイ／ガッティン組によるクラス優勝だ。これは現行のLMGT3に置き換えられる前のGTEアマクラス最後のレースで達成されている。

　今回WEC・LMGT3からの撤退を発表したアイアン・デイムズは、先月発表された2026年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のエントリーリストにも含まれていなかった。

[オートスポーツweb 2025年11月28日]

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