
古舘伊知郎(70)が、7日の東京・EXシアター六本木公演から、全国5カ所で開催の「古舘伊知郎トーキングブルース 2025」を開幕する。来年1月に福岡、2月に名古屋、3月に大阪、横浜と“しゃべりの巡礼”に出る。テーマは「2025(ニセンンジュウゴ)」。今年1年間を、2時間半ノンストップでしゃべりまくる。
「37年前からやってるのに“トークするブルースたりえてるか”って、いつも内省する。完成形があったら死んじゃってもいいと思うけど、もう最後までないんじゃないかって」
1988年(昭63)、1回目のタイトルは「言葉を持った時に人間に悲しみが生まれた」だった。
「言葉がないから幸せも、不幸せも表現することがなかった。言葉を持って文明を築いてきた。今日、ここまで来て、自分たちより頭のいいAIっていうものが出てきた。ホモサピエンスという学名の単一種が、地球上80億人を超えて生息している。その20万年の人類の、歴史の中で初めてだと思うんですよ。自分たちより頭のいいやつが登場したことは。今までは自分たちがトップオブトップだって、傲慢(ごうまん)と喜びと自負を持って、万物の霊長を通り越して、万物の長とか偉そうに言ってね」
AIの登場で、人類は一番頭がいいものではなくなった、と表現した。「2番」になってしまった。
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「初めてですよね、2番手になったのは。初めて蓮舫を評価しろって、言おうと思ってる。『2位じゃダメなんですか』って。蓮舫が(09年に)事業仕分けで、見直せって言ったやつね。嫌なやつだけど、あの言葉は重いんですよ。今こそ、あれを吟味すべきだと。つまり『蓮舫嫌いな、言葉好き』ですから」
年が開けてからの福岡、名古屋、大阪、横浜は、ライブハウスであるZeppツアーとなる。
「この頃、自分とは何者かってアイデンティティーを発見したんです。『心にはまだ青年がいるんです』。若い時の自分は、何に対しても欲深でね。女性にモテたい、名前を売りたい、もっと面白いしゃべりをして大向こうウケを狙いたい、とか。まだ残滓(ざんし)があるんですよ。まだ、オラオラなんですよ。でも、肉体は70歳超えて、完全にヨボヨボになったんですよ。だから見た目ヨボヨボ、中身オラオラっていう、オラオラヨボヨボなんだって。このハイブリッドで生きていこうと」
「トーキングブルース」を始めて38年目。
「オリジナルというのははないんですよ。確立した時に初めて、オリジナルになるから。まだ途上なので死ぬまでやっていたい。しゃべりながら、ここでしゃべり死にしたいと思ってますから。トーキングブルースの舞台でしゃべり死にするっていうのは、私の生きる目標なんですね。まだ確立してないから苦しいし、でも面白い」
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確立したジャンルへの憧れがある。
「下手したら『人間国宝』と言われるような、国や政府やいろんなものが公に認めてくれるような古典芸能ジャンルとか、確立された世界。相撲とか、噺家(はなしか)さんとか、講談師とか、ありじゃないですか。それがないんで、腹が立つんですよ。自分もそういう権威が欲しいんだと思うんですね。情けないからやっぱり欲しいんだと思うんですよ。『人間国宝』ってキャッチフレーズですよね。『人間発電所』ブルーノ・サンマルチノ、『人間爆撃機』ジョニー・バレンタインみたいな」
憧れの本質は嫉妬だ。
「ジャンルがないことによって、ジャンルがあって賞を受けたりする人を、脚光を浴びた神田白山とか、そういう人にも全部嫉妬しまくってる。それがエネルギーになっている。俺は全然1つのジャンルになってない。でも、こういうトーキングブルースでやらせてもらいたいと思う。八つ当たりしてエネルギーためて、ジャンル無き世界で頑張ろうと。それがもう、サイクルになっちゃってる。だから今年はちょっとスタンドアップ調でね、やってみたいと思っています」
【小谷野俊哉】
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▼「古舘伊知郎トーキングブルース『2025』」
25年12月7日 東京・EXシアター六本木
26年1月18日 福岡・Zepp福岡
26年2月12日 愛知・Zepp名古屋
26年3月7日 大阪・Zeppなんば
26年3月20日 神奈川・Zepp横浜
◆古舘伊知郎(ふるたち・いちろう)1954年(昭29)12月7日、東京都生まれ。立大卒業後の77にテレビ朝日入社。同8月からプロレス中継を担当。84年6月退社、フリーとなり「古舘プロジェクト」設立。85〜90年(平2)フジテレビ系「夜のヒットスタジオDELUXE、SUPER」司会。89〜94年フジテレビ系「F1グランプリ実況中継」。94〜96年NHK「紅白歌合戦」司会。94〜05年日本テレビ系「おしゃれカンケイ」司会。04〜16年「報道ステーション」キャスター。現在、TBS系「ゴゴスマ」水曜日コメンテーターなど。血液型AB。
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