木村拓哉、運転手演じた「TOKYOタクシー」劇場に本業が足運ぶ現状に「会話楽しみたい」

木村拓哉（53）が3日、東京・新宿ピカデリーで行われた山田洋次監督（94）の新作映画「TOKYOタクシー」大ヒット御礼舞台あいさつに登壇。

劇中で役としてタクシーの運転手を演じたが、11月21日の封切りから2週間近く立つ中、タクシーの運転手が劇場に足を運んでいると明かし「運転手さんと出会いたい、というか…公開から1カ月以内にタクシーに乗れたら、運転手さんとの会話、空気感を楽しんでみたい」と、本業の運転手との会話を希望した。

「TOKYOタクシー」は、24年に日本アカデミー賞外国作品賞を受賞した22年のフランス映画「パリタクシー」（クリスチャン・カリオン監督）が原作。さえない日々を送る個人タクシー運転手が偶然、乗せた人生の終活に向かうマダムと出会い、東京の柴又から神奈川・葉山の高齢者施設まで送り届けて1日、旅をする姿を描いた。木村は個人タクシー運転手の宇佐美浩二、倍賞千恵子（84）が85歳の高野すみれを演じた。

木村は1月に都内で行われた松竹創業130周年記念ラインアップ発表会で製作を発表した際、タクシーの運転手役は「経験したことがない」と口にして「外に出た時、休憩中のタクシードライバーの皆さんに意識がいくようになった」と、自然と役作りに入っていると明かした。それから10カ月…。映画が封切られ「実際のドライバーの方が、お仕事の合間に劇場に足を運んでくださる。見ておかないといけないと、という感覚で劇場で見てくださっているというリアクションも頂いた。実際の方たちが、見てみようかという感覚になってくださっているのがうれしい」と笑みを浮かべた。

この日は、若き日のすみれを演じた蒼井優（40）も登壇した。

◆「TOKYOタクシー」　タクシー運転手の宇佐美浩二（木村拓哉）は、ある日、85歳の高野すみれ（倍賞千恵子）を、東京の柴又から神奈川の葉山にある高齢者施設まで送ることに。すみれが浩二に「東京の見納めに寄りたい場所がある」と願い出たことから、2人で彼女の思い出の地を巡ることに。会話を交わし打ち解け、次第に心を許していく中で、すみれは自らの壮絶な過去を語り始める。たった1日の旅が2人の人生に想像もしなかった“奇跡”をもたらしていく。撮影は2月から4月まで東京近郊で行われ、倍賞が諏訪さくらを演じた山田監督の代表作「男はつらいよ」シリーズの舞台・柴又でも行われた。