
【写真】福山雅治×大泉洋、最強バディの活躍を見よ!
◆人気脚本家の黒岩勉があて書き! 新たな名バディ誕生
事あるごとに互いのものまねを披露するなど、普段から良好な関係性が伝わってくる福山と大泉だが、2023年の連続ドラマ放送は、2人にとってNHK大河ドラマ『龍馬伝』以来、13年ぶりとなるドラマ共演だった。ここで彼らは新時代の凸凹バディを組むことに。
物語は、日本の警視庁とFBI(米連邦捜査局)の連携強化のため、期間限定の交換留学生として、アメリカから全盲のFBI捜査官の皆実広見(福山)がやってきたことで幕を開けた。皆実は、どんな難事件も必ず解決させることから、最後の切り札を意味する“ラストマン”と呼ばれていた。その皆実のアテンドを命じられたのが、警察庁人材交流企画室の室長・護道心太朗(大泉)である。日本に降り立つ前の飛行機機内から騒動を起こすも、余裕たっぷりに振る舞う皆実。日ごろから犯人検挙のためには違法捜査もいとわず、仲間からも疎まれている心太朗との出会いには、お世辞にもハッピーとは呼べない空気が流れていた。
脚本を手掛けたのは黒岩勉。近年だけでも『グランメゾン東京』シリーズ、『TOKYO MER』シリーズ、『マイファミリー』(それぞれTBS系)といった人気作を生み出してきた実力派だ。その黒岩氏がキャストにあて書きしたのが『ラストマン』である。
◆人たらしのキャラクターに、より魅力と、説得力を与える福山
福山演じる皆実は人たらし。最初に日本で食事を堪能していた蕎麦屋から、その言動と笑顔で女性店員を魅了していた。着陸騒動で時間ギリギリとなった歓迎式典会場へは、ヘリに乗って駆け付け、心太朗にアテンドされて並び立ちながら、にこやかに手を振って派手な登場をしてみせた。さらに第1話から、無差別連続爆破事件の捜査へと向かう。捜査一課の佐久良(吉田羊)率いる佐久良班の面々には煙たがれるも、いつの間にか人の輪の中心になっていく皆実。当初は彼を斜めから構えて見ていた心太朗のことも、本人が受け入れる以前から親しみを込めて“シンディ”と呼んだ。
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そして皆実の大きな魅力が、人に助けを求める強さを持っていることだ。ある事故によって、両目の視力を失った皆実は、第1話で「お願いします。助けてください」と心太朗と技術支援捜査官の吾妻(今田美桜)に協力を求め、犯人に向け「助けてくれる人は必ずいます。私は多くの人に助けられて生きてきました。世の中には、不必要な人間なんていないんです」と声をかける。皆実によるこうしたドラマ上のセリフが、フラットに入ってくるのは、福山の力が大きい。さらに、こうした犯人への言葉を「あれはマイクの先にいた人たち(佐久良班や警視庁の面々)に聞かせていたんですよ」と、計算を加えた発言であると心太朗に示してみせる。そうした言動をさらりとこなせるのが、福山の皆実だ。
◆悪に対する怒りと恐れ。そして変化していく心太朗を巧みに見せる大泉
大泉が演じるのは、そんな皆実のアテンドを命じられ、振り回されながらも、やがて自らの意志でバディになることを選択していく心太朗。代々、警察庁長官を務め上げてきた護道家の次男という家柄と、東大法学部卒という優秀さがありながら、キャリアではなく現場の道に進んだ人物である。犯人を捕らえるために行き過ぎた捜査をするため、仲間たちからは孤立してきた。
大泉といえば、普段の陽気さから、イメージ的にコメディ演技が浮かびがちだ。もちろんそうした芝居における破壊力はこの上ないが、同時に、近年で挙げればNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の源頼朝など、重厚な芝居の実力も知られるところ。『ラストマン』では特に序盤、ある理由から悪に対して異常なまでの怒りと恐れを抱く心太朗を、少しばかりの乱暴さを加えながら成立させてみせる。
やわらかいようでいて、その実、強引に人を巻き込みながら捜査を進めていく皆実との出会いを最悪なものに感じていた心太朗だったが、心太朗ももともと優秀な男である。皆実の“ラストマン”たる実力を前に、第2話にして「私は皆実さんのことを利用することに決めました。あなたと一緒なら相当無茶な捜査ができる」と宣言する。また、ユーモアを覗かせるには難しい心太朗にも、大泉のバランス力で随所に小さなユーモアを感じさせるのがさすが。さらに心太朗は、皆実との関係性や心の内など、変化していくキャラクターであり、そこも巧みに見せる。
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ドラマ『ラストマン−全盲の捜査官−』は、U‐NEXTにて全話配信中のほか、TVer、TBS FREEにて配信中。TBS公式Youtubeチャンネルでは第1話を期間限定で無料配信中。

