ついに見参! TOYOTA GAZOO RacingがトヨタGR GTとGR GT3をお披露目。LFAコンセプトもワールドプレミア

1

2025年12月05日 11:00  AUTOSPORT web

  • 限定公開( 1 )

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AUTOSPORT web

ついにワールドプレミアされたトヨタGR GT3(中)、レクサスLFAコンセプト(左)、トヨタGR GT(右)
 12月4日、トヨタ自動車は静岡県裾野市のトヨタ・ウーブンシティ内にある『インベンター・ガレージ』で、これまで開発を進めてきたスーパースポーツ『トヨタGR GT』と『レクサスLFAコンセプト』、さらに世界中で開催されているGT3カテゴリー向けの新たなレーシングカー『トヨタGR GT3』をワールドプレミアした。

 2022年1月、東京オートサロンの会場内で突如として発表されたコンセプトカー『GR GT3 Concept』がついに市販モデルとして結実した。『モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり』をコンセプトとし、これまで世界中のモータースポーツに挑戦してきたTOYOTA GAZOO Racingは、「モータースポーツ業界をサステナブルにしていくために、カスタマーモータースポーツ活動の取り組みをさらに加速」させるべくオートサロンの場で『GR GT3 Concept』を発表していたが、4年近くの歳月を経て、ついに“公道を走るレーシングカー”として開発されたTOYOTA GAZOO Racingのフラッグシップスポーツカーにその開発が結実した。

 12月4日、トヨタが建設を進める実験都市・ウーブンシティ内に設けられた特設会場でお披露目されたのは、コンセプトモデルの名を継ぐトヨタGR GT、そしてそのレーシングモデルであるGR GT3、さらにGR GT、GR GT3とともに開発が進められ、レクサスとして電動化時代を牽引するBEVスポーツカーとして開発が進められるレクサスLFAコンセプトという3台だ。このLFAコンセプトは、ジャパンモビリティショーで『レクサス・スポーツコンセプト』として発表された車両の一部諸元と名称が変更されたモデルだ。


●“ドライバーファースト”を追求したGR GT

 モータースポーツファンにとって最注目とも言えるGT3ベースカーのトヨタGR GTは、ロングノーズ、ショートテールな流麗なスタイリングをもつクーペ。低重心、軽量・高剛性、空力性能の追求の3つをキー要素に“公道を走るレーシングカー”をコンセプトとしてパフォーマンスを高め、走りを極めた。

“ドライバーファースト”を追求し、レーシングカーとして高い運動性能を実現することはもちろん、クルマとの一体感を得られ、どこまでもクルマと対話しつづけられることを目指し、心臓部には新開発の4リッターV8ツインターボと、1モーターのハイブリッドシステムを搭載する。システム最高出力は650PS以上、システム最大トルクは850Nm以上(開発目標値)となった。

 さらに車体は徹底した低重心化を目指し、「全高とドライバーの位置を極限まで下げよう」と考えることからスタートしたという。駆動方式は限界領域までの扱いやすさを考えFRを採用。トランスアクスル、ユニット類の最適配置によって、重量物の重心位置を大幅に引き下げた。ドライバーとクルマの重心をほぼ同じ位置にされているという。

 さらにボディは、トヨタとして初めてオールアルミニウム骨格を採用した。さらにボディパネルにはカーボンや樹脂という素材を適材適所に使用。強靱で軽量なボディに仕上げた。さらにエクステリアデザインも空力性能の追求のため、これまでのクルマづくりとは異なるプロセスを経て生み出された。通常の車両開発ではクルマの外装デザインを決めてから空力性能を考慮するが、このGR GTではまず空力性能の理想像を定めてからデザインの検討を進めたという。


●誰が乗っても乗りやすいレーシングカーに。GT3は2027年ごろリリースへ

 そして、トヨタGR GTをベースとして、GT3レーシングカーとして開発されたのがトヨタGR GT3。低重心、軽量・高剛性、空力性能の追求の3つのキー要素はGT3カーとしても引き継がれ、『勝ちたい人に選ばれる、誰が乗っても乗りやすいクルマ』というGT3カテゴリーで重要な要素を目指し製作された。

 世界中で行われるGT3レースはその形態もさまざまなで、プロ同士が組んで戦うときもあるが、ジェントルマンドライバーが乗り込むことが非常に多い。そんなカテゴリーで高い戦闘力を保ち、かつユーザーにレースを楽しんでもらえるよう、最適なカスタマーサポート体制を整える用意も進めているという。

 また開発にあたっては、TOYOTA GAZOO Racingが参戦するモータースポーツからの学びを生かした手法を複数採用した。ドライビングシミュレーターを使った研究開発では、開発初期からシミュレーターを採用。クルマの素性を開発の初期から効率よく磨き上げる一助となった。

 シミュレーターに加え、トヨタテクニカルセンター下山などのテストコースはもちろん、これまでも多数目撃されているように富士スピードウェイ、ニュルブルクリンクといった世界中のサーキットで走り込みを行っており、限界領域での走行性能や、耐久性能を確認している。

 開発にあたっては、車両のコンセプトを策定する段階からマスタードライバーであるモリゾウことトヨタ自動車の豊田章男会長が携わったほか、片岡龍也、石浦宏明、蒲生尚弥といったGTカーレースを知り尽くすドライバーが参加。またジェントルマンドライバーの豊田大輔や社内の評価ドライバーがエンジニアたちと開発を続けてきた。

 気になるデリバリーについては、2027年ごろになるとされている。サーキットでの戦いが観られるのは2027年シーズンからになりそうだ。

[オートスポーツweb 2025年12月05日]

    ニュース設定