「食べなさ過ぎ」は実は太る。ダイエットを成功させたいなら“1日3食が理想的”な栄養学的根拠

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2025年12月10日 16:10  女子SPA!

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真似をするなら旅館の朝食がおすすめ
 ダイエットを始める際、まず考えるのは、食べる量を減らすことではないでしょうか。過去にも糖質制限やファスティング、16時間断食、1日1食などのように、過剰に食事を制限するダイエットが流行りました。

◆ダイエットを成功させたいなら1日3食に!

 ですが、栄養と医学両方の観点から食生活や健康を考える臨床栄養医学指導士の資格を持ち、女性のために正しいダイエット情報を発信しているむらPさんは、「1日3食のほうが長期的に見てダイエットが成功します」と指摘します。

「ダイエットを行うときは、多過ぎず、少な過ぎず、自分に合った適正カロリーで行う必要がある。食べ過ぎれば痩せないのは当然ですが、実は『食べなさ過ぎ』ても代謝が落ちて痩せにくくなってしまいます」

 適正カロリーの計算式は、“現在の体重×22+500kcal”。これが代謝を落とさず健康的に瘦せていくためのダイエットカロリーになるそうです。これを体重別に算出した適正摂取量がこちら。

【体重別の適正摂取量】
体重50kg女性のダイエットカロリー「約1600kcal」、お米は「1食あたり約170g」
体重60kg女性のダイエットカロリー「約1800kcal」、お米は「1食あたり200g」
体重70kg女性のダイエットカロリー「約2000kcal」、お米は「1食あたり220g」
体重80kg女性のダイエットカロリー「約2200kcal」、お米は「1食あたり250g」
体重90kg女性のダイエットカロリー「約2500kcal」、お米は「1食あたり280g」
体重100kg女性のダイエットカロリー「約2700kcal」、お米は「1食あたり300g」

◆食事のバランスを整えることも大事

 適正摂取量にお米の量を記載したのにも、もちろん理由があります。

「ダイエットというとカロリーばかりに気にしてしまいますが、最も大事なことは『バランスを整えること』。たとえ適正カロリーを守っていたとしても、栄養が無いものでカロリーを摂取したのでは体の中で代謝が起こらず、どんどん痩せにくい体になっていきます。甘いものやジャンクなもので太りやすいのもこのためです。バランスの整った食事とは、三大栄養素であるたんぱく質、脂質、炭水化物を摂取できるメニューになります」

 理想的なバランスは、「たんぱく質:2、脂質:2、炭水化物:6」だと語り、次のように解説します。

「この割合が最も効率的に体に必要なエネルギーを作り、栄養素も充足しやすいんです。このバランスが崩れてしまうと脂肪を溜め込みやすい体質になってしまう。特に現在女性は脂質が多く炭水化物が少ない食生活になっています。

糖質制限が注目されたことで多くの人が『お米を食べる=太る』と勘違いしていますが、糖質は本来、太るような栄養素ではなく、体にとってはメインエネルギー源。車でいうガソリンです。なので、この糖質(炭水化物)が不足することで、代謝が落ちて痩せづらくなっていきます。

特に40代以降に『痩せない』と嘆く女性は加齢や更年期のせいにしがちですが、若い頃に行った無理なダイエット(糖質制限やファスティングなど)が起因して代謝が低い傾向が多いです」

【三大栄養素のカロリー】
たんぱく質:1gあたり4kal
脂質:1gあたり9kal
炭水化物:1gあたり3.75 kal

◆バランスの整った理想のメニューは?

 ダイエットにはバランスの整った食事がいいとはいえ、「たんぱく質:2、脂質:2、炭水化物:6」を守って毎食の献立を考えるのはハードルが高そうですが……。

「いちいち計算する必要はありません。旅館の朝食を真似てもらうと、バランスが勝手に整うのでおすすめですよ。ご飯、味噌汁、魚、サラダ、果物といった組み立て方ができると、たんぱく質と脂質、炭水化物が整ったバランスのよい食事になります」

 献立を考えるときは、下記のポイントを意識するといいそうです。

【献立のポイント】
ご飯:現在の体重に合った適正量を食べる
味噌汁:炭水化物を多めの具沢山にする。具材はニンジン、キャベツ、芋類、大根、わかめ、ナス、ほうれん草、キノコ類、などがおすすめ
魚:主菜はしっかりたんぱく質が摂れるものを1品置く。もちろんお肉でもいいが、脂質が多い部位や加工肉などは避ける
サラダ:生野菜なら両手一杯分、茹で野菜なら片手一杯分を目安に。特にブロッコリー、ほうれん草、かぼちゃは栄養素が豊富な最強食。スーパーで冷凍食品として手に入るので便利
果物:果物ならならなんでも。ネットでは一部果物は糖質だから太りやすいというような情報もありますが果物に含まれる果糖(フルクトース)は血糖値の上昇に関与せずビタミンミネラルが糖代謝を助けてくれるので、毎食食べてもOKです。1日300g推奨

「1日3食にすることで代謝がアップして脂肪が燃えやすくなり、血糖値が安定して自然と食欲がコントロールされるので暴食を防げます。さらに、食事回数が少ないときよりも栄養吸収率がアップして、効率よくカロリーを摂取できます」

◆お腹が減ったときは間食しても大丈夫

 バランスの整った食事を実践した結果、「甘いもの欲がなくなり、間食がやめられる女性が非常に多い」そうです。ただ、それでも午後や夜間にお腹が減ってしまうという方は、「間食を摂ってもいい」とも。

「だからといってお菓子を食べてはダメ。間食の目的はエネルギー補給なので、200kcalから300kcalを目安に炭水化物を食べるようにしてください。仕事の合間でも食べやすいおにぎりがおすすめですが、さつまいもや果物などもいいですね。食べる余裕がないときは黒糖やはちみつ飴がベスト。特に黒糖は、白砂糖と比べて栄養価が高いんですよ」

 ただし、甘いものがどうしても我慢できないといった方は、カロリー不足や栄養不足、ストレス、睡眠不足など、別の原因が考えられるとも。「我慢することで過食に走ってしまう可能性もある」そうなので、専門家に相談したうえで根本的な原因の解決を目指すべきだそう。

「ダイエットが成功しない方は、自分が痩せない原因を分かっていないことが多い。とにかく食事を減らしたり、運動したりするんですが、それよりもまずは自分が痩せない原因をちゃんと把握することが重要です。

そのうえでダイエットをするという感覚をなくすことも大事。痩せた後も体重をキープし続けないといけませんが、ずっとダイエットを続けると考えるのはつらいですよね? だからダイエットを行うのではなく、生活習慣を改善するという感覚で始めたほうが続けやすいですし、痩せた後も体型を維持しやすい。

糖質制限やファスティング、16時間断食のような過剰なダイエットよりも1日3食を適正カロリーでバランスよく食べる。このほうが長期的に見てダイエットが成功するのは明確な理由があるわけです」

<取材・文/黒田知道>

このニュースに関するつぶやき

  • 食べないで痩せるようとすると代謝が下がる。食べて運動して高代謝の体を作らないと体温下がるしなかなか痩せないですな。
    • イイネ!4
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