さだまさし「風に立つライオン基金」 シリア支援と新生児医療医師を表彰

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2025年12月12日 18:47  日刊スポーツ

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日刊スポーツ

「風に立つライオン オブ・ザ・イヤー2025」贈賞式に出席した、左からさだまさし、中野貴行さん、寺澤大祐さん、鎌田實さん

歌手さだまさし(73)が設立した「風に立つライオン基金」が12日、都内で、命や平和を守る活動を実践する団体・個人を表彰する「風に立つライオン オブ・ザ・イヤー2025」の贈賞式を行った。


主に海外活動が対象の「柴田紘一郎賞」は「NPO法人ピース・オブ・シリア」が受賞。約5万人のシリアの子どもたちへの教育支援と平和教育を行ってきた。代表理事の中野貴行氏(44)は「賞は僕でなく、僕の仲間がもらったと思っています。自分たちは心のケアと教育を大切にしている。分断されたシリアの文化をどうやって未来に伝えていくか。分断されたシリアを1つにしたい」などと話した。


さだは「表面だけ聞いているときれいごとに聞こえるかもしれないけれど、シリアで活動をすることがどんなに困難か。体に気を付けて頑張って欲しい」と伝えた。


国内活動が対象の「鎌田實賞」は岐阜県総合医療センターの新生児内科医師・寺澤大祐氏(46)が受賞した。弟が重い病気を抱えて生まれたことがきっかけで新生児医療の道に進んだ。寺澤氏は“救った命の、救いっぱなしにしない社会を作る”がモットー。「多くの亡くなっていった子どもたちが僕を支えてくれている。次に亡くなる子どもを1人でも減らせるようにしたい」と笑顔でかつ力強く宣言した。


さだは「基金を創設してもう10年という思いと、まだ10年という思いがある。最初は本当にお金がなくて。100万円しかなくて(応援団の)泉谷しげるが『どうするんだ』と怒るんです」などと場を和ませながら「われわれがいなくなっても思いや活動が続くように高校生ら若い人たちにバトンタッチをしていきたい」などと語った。


評議員の諏訪中央病院名誉院長の鎌田實さんも「この基金は多くの人に支えられている」と感謝した。


「風に立つライオン基金」は15年に設立。被災者支援や奉仕活動などへの助成事業、顕彰事業を行っている。

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