
物価高で庶民の暮らしが苦しいと感じるのは日本だけではない。インフレは世界共通の悩みであり、若年層の間では消費がモノからコト、つまりは「体験消費」が広がって、家計の引き締めムードが広がっているようだ。世界最大規模の世論調査会社イプソス(日本オフィス所在地は東京)が、世界15カ国で実施している消費者調査「マーケットエッセンシャルズ」で行った「年末年始の消費に関する意識と行動の変化の調査」で、そんな実態が浮かび上がった。
調査対象の15カ国は、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、イタリア、日本、メキシコ、南アフリカ、韓国、スペイン、イギリス、アメリカ。
この調査で「今年の年末予算は昨年より少ない」と回答した人は、15カ国の平均では60%以上。年末年始のギフトやお祝いに使える予算が昨年より減少する生活者が増えている。一部の国で改善がみられるものの、依然として家計の負担感が強く、節約志向が広がっているという。
一方で、年末年始の旅行自体は人気が高く、約70%が旅行にお金を使う予定と回答。ただし、その中の多くが「支出を減らす」または「同程度に抑える」と回答しており、旅行を楽しみつつも費用を慎重に管理している様子が見られた。限られた予算をどのように配分するかという問いについては、Z世代やミレニアル世代は、物質的なアイテムより没入型の体験を優先する傾向が最も高い。ギフト選びにおいても、若年層は物ではなく、旅行やアクティビティーなど「思い出に残る経験」など、体験重視の消費傾向が見られた。
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