フェラーリの2026年F1エンジン戦略。リスクを取り、シリンダーヘッドの素材変更か

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2026年01月12日 12:30  AUTOSPORT web

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2025年F1第24戦アブダビGP ルイス・ハミルトン(フェラーリ)
 イタリアの情報筋によれば、フェラーリは2026年に向けて、パワーユニット(PU)面で優位性をもたらし得る解決策に、静かに取り組んできたという。2026年のF1世界選手権から全面的に新しいテクニカルレギュレーションが導入されることで、チームやマニュファクチャラーはさまざまな異なる解決策を試すことになる。特にエンジン分野では、メルセデス、フェラーリ、レッドブル・フォード、ホンダ、アウディという5つのマニュファクチャラーが競い合うため、各社が何らかの独自技術に賭け、アドバンテージを得ようとしていると見るのが一般的だ。

 すでに多く語られてきたのが、内燃エンジンの圧縮比、すなわちシリンダーの最大容積と最小容積の比率に関する規則に関し、メルセデスとレッドブル・フォードが編み出したといわれる巧妙な解決策である。

 以前の規則で18.0に制限されていた圧縮比が、2026年にはこれが16.0に引き下げられた。2026年規則では、「エンジンのいかなるシリンダーも、幾何学的圧縮比が16.0を超えてはならない。これを測定する手順は、ガイダンス文書FIA-F1-DOC-C042に従い、各PUマニュファクチャラーが詳細を定め、常温で実施される。この手順はFIA技術部門の承認を受け、PUマニュファクチャラーのホモロゲーション資料に含めなければならない」と規定されている。

 この変更は、新規参入マニュファクチャラーの負担を軽減する目的で導入されたのだが、最近になって、メルセデスとレッドブル・フォードは、エンジンが高温で稼働している際には高い圧縮比を実現し、冷却されて測定される際には16:1に戻す方法を見つけたといわれている。それにより、予選やレース後の車検を問題なくクリアできるというわけだ。この問題については、他マニュファクチャラーがFIAに問い合わせを行ったことから、プレシーズンテスト開始前に会合が実施されることになった。

 一方、フェラーリは、内燃エンジン開発において独自の方向に進んでいることが判明した。フェラーリは、V6エンジンの重要部品であるシリンダーヘッドについて、従来のアルミニウム合金製という一般的な解決策から離れ、合金鋼を採用することを選択したといわれる。合金鋼はアルミニウム合金の約3倍の重量があるため意外な判断にも映るが、その使用には多くの利点がある。

 フェラーリは長年にわたり、CADファイルから直接部品を構築する金属粉末床溶融結合技術を用いた積層造形システムを扱う金属加工の専門企業と協業してきた。この技術により、フェラーリのエンジン部門は内燃エンジンの設計において内壁と外壁をより薄くすることが可能になり、重量とスペースを節約し、それによって空力設計者により多くの作業スペースを提供できるようになった。

 フェラーリは2026年型マシン『SF-26』の発表を1月23日に行い、直後にフィオラノでシェイクダウンを行うものとみられている。

 2026年シーズンが進むにつれて、さらなる事実の発覚や論争が次々と生じることは間違いない。実際にマシンが走り出して初めて、各マニュファクチャラーはライバルがどのような技術や素材を用いているのかを、より正確に把握できるようになる。

[オートスポーツweb 2026年01月12日]

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