限定公開( 4 )

令和の女性グループに、新たな流れが広がっています。“女性プロデューサー”が手掛けるグループが次々と話題となり、存在感を放っている状況です。
日本のアイドルシーンは、小室哲哉さん、つんく♂さん、秋元康さんら男性プロデューサーがけん引してきました。しかし近年は、実際にステージに立つ経験を持った女性プロデューサーの感覚が加わり、アイドルの描かれ方や見せ方にも幅が生まれています。
特に2025年は、その変化がはっきりと可視化された一年でした。「NHK紅白歌合戦」や「日本レコード大賞」といった国民的な舞台に、「HANA」「FRUITS ZIPPER」「=LOVE」など女性プロデューサー主導のグループが名を連ねたことは、音楽シーンの変化を象徴する出来事といえます。こうした動きをけん引する“3人の女性プロデューサー”に焦点を当て、それぞれのプロデュースの特徴を見ていきます。
秋元さんが手掛ける「AKB48」のメンバーとして活動していたタレントの指原莉乃さんは、「=LOVE」(イコールラブ)「≠ME」(ノットイコールミー)「≒JOY」(ニアリーイコールジョイ)の3グループ(イコノイジョイ)をプロデュース。
|
|
|
|
指原さん自身がステージに立つ側としての喜びや苦しさ、ファンとの距離感、評価され続けるプレッシャーを実体験として知り、「アイドルとしてどう見られるか」を熟知していることが大きな強みです。
2017年にデビューした「=LOVE」は、メンバーそれぞれの個性や立ち位置を丁寧に設計し、メンバー一人一人に目が向きやすい売り出し方を続けてきました。成長していく姿を見せるプロデュースは、ファンとの信頼関係を築きやすく、長期的な支持につながっています。
また、指原さんは作詞家としても評価を高め、2025年のレコード大賞では「とくべチュ、して」で作詞賞を受賞。自身も多忙なスケジュールの中、“2日で歌詞を書ける”という類まれな才能を武器に、プロデューサーとしての存在感を強めた一年だったといえます。
「FRUITS ZIPPER」などのアイドルプロジェクト「KAWAII LAB.」(カワラボ)総合プロデューサー・木村ミサさんは、自身も元アイドルで、1児の母。さらに元々はハロープロジェクトを推す“アイドルヲタク”だったことも明らかにしています。
カワラボからは現在5グループがデビューし、いずれもカラフルでポップなビジュアルと、「かわいい」を軸にしたスタイルが特徴で、“バズる曲”を続々と生み出すTikTokなど“SNSの使い方”が強みです。東京・原宿を拠点に国内外へと発信する新たなアイドル像を作り上げています。
|
|
|
|
プロジェクトの“長女”FRUITS ZIPPERは、2022年に観客50人規模のライブからスタートし、デビュー4年目を迎えた2026年2月に、初めて東京ドームのステージに立つまでに成長しました。
“原宿カルチャー”を切り開いたきゃりーぱみゅぱみゅさんらが所属する「アソビシステム」をバックボーンに持つ木村さんのプロデュースは、自身が手掛けるアイドルたちを“一つの新たな文化”として定着させていきます。
アーティストとしても絶大な人気のちゃんみなさんは、強烈な自己表現力と18回のオーディションに落選してきた経験を武器に、女性グループ「HANA」をプロデュース。パフォーマンス力に加え、努力の姿や人間性が重視されて選ばれたメンバーが集まっています。
グループ誕生までの過程を追い、2024年から2025年にかけて配信されたオーディション番組「No No Girls」(YouTube・hulu)では、ちゃんみなさんが審査で見せた真摯な姿勢が多くの視聴者の心を打ちました。
合格者のみならず落選者に対しても「誰の手も離さない」と、“救済施策”を行うなどプロジェクト全体への信頼感も高めました。10代から20代の女性にとどまらず、年配層や男性からも共感を集め、支持の広がりにつながっています。
|
|
|
|
2025年4月に正式デビューしたHANAは、音楽やファッションなど幅広い分野のアワードで評価を受け、同年の日本レコード大賞では最優秀新人賞を受賞。紅白歌合戦にも初出演し、大きな注目と人気を集めました。
2025年に存在感を放った女性プロデューサーたちの共通点は、元アイドルや現役歌手といった“表舞台の経験者”。成功や葛藤、人々からの評価を体験しているからこそ、メンバーの心情に寄り添うことが可能になっていると考えられます。まさに「わかってる人が作っている」プロデュースです。
2つ目に「共感」も大きなキーワードです。歌詞への共感、「かわいい」という価値観への共感、さらには世の中の女性像の固定観念を覆すことへの共感など、3者それぞれのプロデュースは方向性は異なるものの、“共感”を軸にしている点で共通しています。
“女性が女性グループをプロデュースする”という流れは一過性ではなく、次世代のスタイルへとなりつつあります。2025年は、その変化がはっきりと形になった一年だったといえるでしょう。
|
|
|
|
|
|
|
|
Copyright(C) 2026 ITmedia Inc. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。