AOレーシングが走らせる“恐竜カラー”のポルシェ911 GT3 R 昨年限りでポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ(PPM)でのIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権GTPクラスにおける活動を終えることになったニック・タンディは、GTDプロクラスに参戦するAOレーシングへの移籍により「再びレースを楽しめる」ようになることを期待している。
この英国人ベテランドライバーは、2024年のGTDプロタイトル獲得チームにおいて刷新されたラインアップの一員となる。新加入のハリー・キングがタンディのパートナーとなり、フルシーズン参戦する。また、開幕戦デイトナ24時間レースを含む長距離レースでは、アレッシオ・ピカリエッロがサードドライバーを務める。
タンディはフェリペ・ナッセ、ローレンス・ファントールとともに2025年のデイトナ24時間レースを制覇。さらに続くセブリング12時間レースでも優勝を飾り、“耐久ビッグ6”を達成する活躍を見せた。
しかしポルシェは、WEC世界耐久選手権におけるファクトリー・ハイパーカー・プログラムの終了を受け、ドライバーラインアップを大幅に刷新。その結果、ケビン・エストーレ、ファントール、ジュリアン・アンドラウアーの3人が、今季のウェザーテック選手権でPPMからフルタイムで参戦することになった。
AOへの移籍の経緯について、タンディはポルシェとの契約という既存の制約の中で、新たな章を開きたいという願望から生まれたものだと説明した。
「963の開発に携わるのは楽しかったし、チームメイトとレースをするのも楽しかった。だけど、PPMでの時間はもう終わりに近づいていた」とタンディはSportscar365に語った。
「何か新しいことをしたかった。新たな挑戦が必要だった。再びレースを楽しみたかったんだ。ポルシェと契約しているので、今季の計画について話し合った際に、AOレーシングへの移籍を提案されたんだ」
「僕にとっては、GTDプロクラスのこの3年間の発展は驚異的だ。ここ数年は、GTDプロのレースをGTPのレースと同じくらい、タイミングスタンドから観戦することが多かった」
「ポルシェにはGTPのシートを埋めるドライバーが他にもいるのは明らかだったから、(AOへの移籍は)すべての条件を満たしていた」
「プロトタイプでレースをするのが恋しくなるかって? もちろんだよ。 LMP2、LMP1、そしてGTPでのドライブを、僕はいつも楽しんできた。将来、またプロトタイプカーをドライブすることになると思っている」
「でも、今シーズンのことを考えると、本当にワクワクしている。AOレーシングが短期間でトップレベルのチームに成長したことは素晴らしい。彼らのために、またチャンピオンシップを勝ち取れることを願っている」
2021年にウェザーテック選手権にGTカーでフル参戦した経験を持つタンディは、若い同胞であるキングとともに仕事ができることを心待ちにしていると付け加えた。
「ハリーとは、彼がポルシェのキャリアを始めた頃からの知り合いだ。彼がポルシェGBジュニアだった頃、そしてカレラカップのタイトルを獲得した時、僕はチームを運営していた」
「彼はいいヤツだし、僕らはいつも仲が良く、とても速くて知的だ。GT3 Rについて彼からできる限りのことを学びたいと思っているし、IMSA特有のサーキットはどれも彼にとって初めての経験なので、彼の学習を加速させる手伝いができればと思っている」
■スーパーGTでの活躍によりAOのシートをつかんだキング
一方のキングは2025年、GTワールドチャレンジ /エンデュランス・カップでフェルスタッペン・レーシングとともにゴールド・カップのタイトルを獲得、さらにスーパーGT・GT300クラスでは新チームseven x seven Racingでオートポリス戦で優勝を果たした後、ウェザーテック選手権に参戦することになる。
21歳のキングは、デイトナを皮切りに、今年のGTDプロクラスのスケジュールに含まれる全10サーキットを初走行するというチャレンジを心待ちにしていると語る。
「ポルシェと複数年契約を結べたことを大変嬉しく思っている。2020年に英国でポルシェのジュニアドライバーになって以来、ずっとこの目標に向かって努力してきた。そして、ついにすべてが一巡したんだ」とキングはSportscar365に語った。
「毎年話し合いはあったけど、1年間休んだこと(ポルシェ以外のマシンでレースをすること)は確かにプラスに働いたと思う。スーパーGTでの活躍がきっかけとなり、話し合いのきっかけが生まれ、今の僕の立場につながったんだ」
「グンナー(・ジャネット)とPJ(・ハイエット)がいなければ、これは実現しなかっただろう。彼らは僕をこのマシンに乗せようと懸命にプッシュしてくれた。彼らからの強い信頼の証だ」
「アメリカでレースをするのは初めてだ。ここはレースの歴史が深いので、ワクワクしている。そして、ほぼ毎シーズン、歴史を築いてきたニックとともにレースを戦えることになった。彼以上に素晴らしい人はいないよ」
「僕はルーキーだけど、静かなる自信を持っている。AOの実績、そして短期間での彼らの活躍を見れば、彼らは非常に成功を収めていると言えるだろう。だから、彼らの栄誉のリストにさらに加われることを心待ちにしている」
キングは今年、ポルシェと契約したドライバーとして他の選手権にも参戦するが、IMSAを最優先にすると強調し、スケジュールの都合上、seven x sevenのスーパーGTプログラムには参加しないことも表明した。
[オートスポーツweb 2026年01月22日]