ミシュランが2026年、WECのハイパーカークラスとIMSAのGTPクラスに投入する新タイヤ『パイロット・スポーツ・エンデュランス・プロトタイプ』 ミシュランの新しい『パイロットスポーツ・エンデュランス・プロトタイプタイヤ』は、トレッド面のデザインが非常に独特で、モータースポーツにおける他のどのプロトタイプタイヤとも異なる、きらめく色とパターンが特徴的だ。
しかし、このタイヤの特徴は見た目だけではないという。優れたパフォーマンスを発揮しながら、強化されたサステナビリティ目標を達成することが目指されている。
■環境性能とパフォーマンスの両立を目指して開発
IMSAの公式タイヤサプライヤーであるミシュランは、2026年のウェザーテック・スポーツカー選手権に2種類の新型タイヤを投入する。
GTPクラス向けには、前述の新型パイロットスポーツ・デンデュランス・プロトタイプが投入され、そしてGTクラスは『パイロットスポーツ・プロ GT H1+』へと移行する。
GTPのプロトタイプタイヤは、4つのサーキットで1年間にわたる最終テストを経て完成したものだという。カタールのルサイル・インターナショナル・サーキットとフランスのポール・リカール、そしてアメリカ国内のセブリング・インターナショナル・レースウェイとワトキンス・グレン・インターナショナルでテストは行われた。
その目的は、既存のタイヤラインのピーク性能とバランスを維持しながら、ウォームアップ性能、安定性、耐摩耗性を向上させ、ミシュランとIMSAそれぞれのサステナビリティ目標の一環として求められるダブルスティント走行における耐久性を維持することだった。
このタイヤはIMSAのGTPカーだけでなく、WEC世界耐久選手権のハイパーカークラスでも用いられるものであり、ル・マン・ハイパーカーとLMDhの両規則の車両が装着するタイヤとなる。
「目標は、タイヤの50%をリサイクル素材と再生素材で構成したレーシングタイヤを製造することだった。これは初めてのことだ」と、ミシュランのウェザーテック選手権コーポレートレーシングマネージャーであるハンス・エメルは説明する。
「それが目標のひとつだった。そして、その目標達成にあたってパフォーマンスを犠牲にしたくなかったのだ」
「現状のピークパフォーマンスは維持しつつも、ウォームアップの改善も必要だと認識している。そうすることで、ドライバーはアウトラップでタイヤのフィーリングをより良く把握できるからだ」
ドライバーからのフィードバックについてエルメは「安定性が向上し、摩耗もわずかに改善されたという報告を受けている」と述べる。
「(デイトナでの)午前中のテストセッション後、さまざまなチームのドライバーから、ウォームアップが明らかに改善され、方向性も一貫性が増したというフィードバックを多数もらっている」
2025年11月にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われたIMSA公認テストは、新型タイヤが全ドライバーに提供された本格的なテストだった。
ウェイン・テイラー・レーシングの10号車キャデラックVシリーズ.Rのドライバー、リッキー・テイラーは、このタイヤに特に満足していたひとりだ。
「彼らは新しいタイヤで素晴らしい仕事をしてくれた」とテイラー。
「今日はミディアムタイヤのみで走行したが、気温のウインドウ内でどの位置にいても、ウォームアップは非常に良好だった。デグラデーションはそれほど悪くはなかったようだが、ウォームアップは大幅に改善された。ドライバー全員がこれを聞いて、安堵のため息をついていると思う」
ハート・オブ・レーシング・チームの23号車アストンマーティン・ヴァルキリーをドライブするロス・ガンは、ワトキンス・グレンとの比較を行う機会を得た。
「このタイヤは明らかに、熱入れが格段に楽になった。ワトキンス・グレンでもすぐにそれを実感した」とガン。
ダブルスティントができるタイヤはここ数年、プロトタイプパドックで話題となっており、ミシュランは新しいタイヤの開発、テスト、設計においてこの点を考慮したという。持続可能性の目標達成には、ミシュラン・エンデュランス・カップの5ラウンドで、ダブルスティントが必須となるからだ。
このタイヤが初めて投入される公式戦は、今週末のウェザーテック選手権開幕戦のデイトナ24時間レースとなる。
一方、新しいGTクラスのタイヤは、全面的な変更ではなく、むしろ『進化』と表現すべきものとなっている。ウェザーテック選手権のミシュラン・モータースポーツ・シリーズ・マネージャー、ジェフ・フィッシャーによると、これらの変更はふたつの主要な改良点を特定した後に行われたとのことだ。
「ひとつは、さまざまなGTメーカーのリムへのビードフィットの改善、もうひとつは、高温の路面コンディションにおける耐熱性を向上させるためのトレッドプロファイルの変更だ」とフィッシャー。
「コンパウンド、ケーシング、構造に変更はない」
「このシリーズでタイヤの堅牢性を確保するために、カテゴリーや構成における競技参加者のニーズに応え、継続的に改善できる小さな領域をいくつか特定しただけだ」
[オートスポーツweb 2026年01月22日]