原付はもはや「足枷」か…… 規制強化を受けてバイクメーカー各社が新規開発に消極的なワケ

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2026年02月05日 06:00  ITmedia ビジネスオンライン

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 4月1日から原付一種に新たな区分基準が生まれる。普通自動車免許で乗れる原付一種はこれまで、総排気量が50cc以下に設定されていたが、「排気量125cc以下かつ最高出力4.0kW以下」の二輪も原付一種に含まれることとなった。


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 新基準に合わせて各社も新型二輪を投入しており、ホンダは2025年12月にスーパーカブシリーズで「スーパーカブ110 Lite(ライト)」「スーパーカブ110 プロ Lite」「クロスカブ110 Lite」と3車種を投入した。ヤマハは3月に「ジョグ125」の新型車両を発売する予定だ。


 ほぼ国内向けとされる原付一種は市場が縮小し続けており、今回の法改正は世界標準に合わせる動きといえる。周辺の動きをまとめていく。


●原付の歴史は、ホンダから始まった


 原付こと原動機付自転車のルーツは、ホンダにある。1947年に登場した「ホンダA型」が市販の自転車に補助動力を追加できる商品としてロングセラー商品となった。その後、ホンダは「カブF型」を発売し、全国の自転車店に販売網を広げた。


 低価格の補助エンジンが普及するとともに、原付は1952年に許可制となり、1960年には免許制となった。


 原付は一種と二種に分かれている。現時点で原付一種は総排気量50cc以下の二輪車両であり、二種は50cc超から125cc以下と定められている。前者は普通自動車免許で運転できるが、後者は普通自動二輪免許が必要だ。原付免許では前者しか運転できない。


●メーカーにとって原付はもはや「足かせ」


 4月1日から、原付一種に「新基準原付」が導入される。「排気量125cc以下かつ最高出力4.0kW以下」の二輪車両が原付一種に区分されることとなり、普通自動車免許・原付免許で乗れる二輪の出力が向上する形だ。


 新基準原付の導入は、2025年11月に適用された排出ガス規制が関係している。同規制において、最高時速100キロ以下の二輪車は炭化水素の規制値(走行1キロ当たり)が300ミリグラムから100ミリグラムに厳格化した。


 技術的な問題から50cc以下で新規制を満たすことが難しいため、メーカーの要望を踏まえて「新基準原付」が導入された格好だ。新規制により、各社は50cc以下の原付の生産を10月末で終了した。


 50cc以下の二輪は各社にとって足枷になっていた。ホンダは2025年3月期に二輪事業で2057万台を売り上げたが、国内向けはわずか20万台ほど。販売の主軸はアジアだ。海外では小型でも100cc以上が相場であり、50cc以下の原付は「ガラパゴス化」の象徴とされている。


 国内市場を見ると、原付一種の販売台数は1982年のピーク(278万台)から減少し続け、2024年度は11万台となった。


●ホンダ以外のメーカーは消極的?


 50cc以下の生産終了に合わせ、ホンダは2025年11月に「Dio110 Lite」を発売した。海外にも展開するDio110の出力を抑えたバージョンだ。メーカー希望小売価格は23万9800円で、旧原付一種並みに抑えた。国内の販売計画台数は9000台である。


 1950年代から販売するカブ系統では、新基準原付に適用する3車種も発売。排気量はいずれも109ccで、メーカー希望小売価格は35万〜40万円ほど。デザインはいずれもカブらしい、レトロな見た目だ。50cc以下の原付と比較して全体的なサイズが大きく、走行安定性などを評価する意見がある。国内の販売計画台数は6500台だ。原付一種にしては高価格帯であるため、価格がネックになるかもしれない。


 ヤマハは詳細を公表していないが、台湾など海外で展開し、国内では原付二種として販売する「ジョグ125」に出力の制限をかけて生産する予定だ。ジョグ125の現行品は124ccだが、最高出力は6.1kWと新基準の4.0kW以下を上回る。価格も26万7300円であり、新機種は同程度かそれ以下になる可能性が高い。


 スズキは現在でも50cc以下の原付一種を販売しているが、既に生産は終了している。125cc以下の原付二種も生産しているものの、新基準に対応する車両はなく、現時点で新車種の発売は公表されていない。大排気量を得意とするカワサキはそもそも50cc以下の原付一種をほぼ生産しておらず、新車種を販売する可能性は低い。こうして並べると、原付一種でシェアの約半分を握るホンダの積極的な姿勢がうかがえる。


 メーカーが法改正を求めたのは、原付一種の販売台数が少なく、新規制に対応するための開発費が見合わないためである。市場縮小によりガラパゴス化した原付一種の生産はメーカーにとって足枷となった。


 行政によるガラパゴス規制は自動車・携帯電話などさまざまな分野で世界標準との乖離(かいり)を生み出してきた。多くの製造業は海外事業に主軸を移している。世界標準に合わせる形で、今後も同様の法改正が相次ぐかもしれない。


※下記の関連記事にある、【完全版】では、配信していない写真とともに記事を閲覧できます。


●著者プロフィール:山口伸


経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。



このニュースに関するつぶやき

  • 【本田宗一郎】戦争が終わった。通信用エンジン(50cc)が余っているな。カミさんの買出しが楽になるように自転車にエンジンを付よう←原付の始まり��通称バタバタǭ原付は一体誰の為のもの?�Ҥ褳
    • イイネ!5
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