加藤あやのセクシー女優としてデビューすれば、すぐに仕事が舞い込み、安定した活動ができる――そんなイメージを持つ人も少なくないと思います。
しかし現実には、デビュー後もほとんど仕事が入らず「月に1、2本しか出演がない」という状況が続き、そのまま引退を余儀なくされる人もいるそうです。
2014年にセクシー女優としてデビューし、現在も第一線で活躍する加藤あやのさんも、無名の企画女優・エキストラとして長く下積みを経験した女優のひとり。
仕事が月に1、2本しかない時代をどう乗り越え、どのような覚悟で「女優」という職業と向き合ってきたのか。加藤さん自身の言葉で語ってもらいました。
◆セクシー女優デビューのきっかけ
――まず、加藤さんが2014年にセクシー―女優業界に入ったきっかけを教えてください。ほかにお仕事をしていたんですよね?
加藤あやの(以下 加藤):はい、仕事は普通にしていました。デビューのきっかけは……「ヒマだったから」が大きいです(笑)。
――ちょっと予想外すぎる言葉ですね(笑)。
加藤:仕事的に不定休で、お友達とも会いにくくて。だから休みのときに、なにもやることがなかったんです。それで、ひとりでフラフラしているときにスカウトされて、という感じですね。
――でもそれだけで、いきなりセクシー業界に入ります?
加藤:実はもともと、セクシー業界に興味津々ではありました。ちょうどそのタイミングでセクシー女優を題材にした小説を読んでいたのもあって、とりあえず「話だけでも」ってなったのがきっかけですね。
ただ、興味はあったけどそういうビデオはまったく見たことがなくて、もう「とりあえず入っちゃおう!」って。好奇心が勝ちましたね。
◆管理栄養士として働きながら「兼業セクシー女優」に
――もともとはどういう仕事をしていたんですか?
加藤:病院で管理栄養士として、病院食を作っていました。でもデビュー後もその仕事は続けていたんですよ。「休みのときだけ出演できれば」と考えていたので。
でも不定休だし、シフトが決まるのも遅いしで、結局当時はほとんど出演していないんですよ。おかげで職場にはデビューがバレずに済みましたけど(笑)。
――では、忙しくなるまではずっと兼業だったんですか?
加藤:いえ、事務所を移籍して「加藤あやの」になったときには、管理栄養士は辞めていましたね。正直、まだセクシー女優として食べていける状態じゃなかったんですけど。
――それなら、兼業のままでもよかったのでは。
加藤:……上司が嫌いで(笑)。シフトを決めるのは遅いし、気に入らないと無理なシフトを組んでくるし。あと「献立イジメ」なんかもあったし。
――献立イジメ?
加藤:嫌いな人間に調理が大変な献立を担当させるんです。「グラタン担当だ〜!」とか「うわ〜、カニ玉か!」とか(笑)。
――そんなイジメが。「管理栄養士あるある」なんですかね(笑)。
加藤:あと、資格があるから管理栄養士の仕事は年を取ってからもできるなって。そのときしかできない仕事がしたかった、というのが大きい理由ですね。
◆デビューから2年半「ほとんど仕事がなかった」
――その理由なら納得できます。
加藤:とは言っても、加藤あやのになってからも2年半近く、ほとんどお仕事がなくて。企画女優かエキストラのお仕事が月に1、2回。あとは六本木のセクシー女優キャバクラ「レッドドラゴン」で働いて、やっと生活していました。
――その状況で、辞めようとは思いませんでした?
加藤:正直、3年活動して仕事が増えなかったら辞めようと思っていました。でもうまく2年半で代表作と言える作品に出会えて、そこから仕事がバーッと増えましたね。
2016年に発売されたんですが、当時あった「寝取られブーム」の発端になった作品じゃないか、と自負しています(笑)。
――どのくらい忙しくなりました?
加藤:月の半分は、ずっと撮影で埋まりましたね。それまでほとんど仕事がなかったのに、あっと言う間に状況が変わって驚きました。
◆セクシー女優だと妹に打ち明けた時の反応は
――それからたくさんの作品に出演して、今ではメーカー専属女優に。そうなると身バレが心配になると思うんですが、そもそもご家族には仕事のことは伝えているんでしょうか?
加藤:両親には伝えていません。バレてもいないと思うんですが……実際はどうでしょうね、聞くわけにもいかないのでわからないです(笑)。
――ご両親以外は?
加藤:妹がいます。妹には仕事のことは伝えましたね。
私が初めて出演した舞台はセクシー女優さんだけのユニットで、周りの女優さんがご家族を招待しているのを見て「いいな」と思ったんです。
それで共演していた先輩女優さんに相談したら「最初はすごく反対されるよ。でも妹って必ず味方になってくれるから、伝えてみたら」とアドバイスしてもらって、話しました。
――妹さんの反応はどうでした?
加藤:「お姉ちゃんが一生懸命頑張っているなら、応援する」と言ってくれました。「本当は辞めてほしいけど」とも言われちゃうこともりますが。
◆セクシー女優以外の活動も
――妹さんからすれば、複雑な心境ってことですかね。ちょうど舞台の話になったので。舞台のほうは、事務所関係なくフリーの女優として活動しているんですよね。
加藤:はい。でも事務所もスケジュールの調整など協力して応援してくれているので、ありがたいです。
――舞台は稽古も含めれば、かなり時間が取られますからね。
加藤:だから、今は単体女優で撮影が月1本なのが、スケジュールを調整しやすくて助かっています。
――定期的に舞台に出演していますが、舞台のどういう点に魅力を感じているんですか?
加藤:舞台に限ったことではなく、私はセクシー女優としても「演技に力を入れたい」と考えているんです。
だって「女優」と呼ばれる仕事ですから。とくに人妻・熟女作品だとドラマパートをしっかり撮影することで、見ている方を作品の世界に引き込めるんですよ。
そういう意味では、演技はどれだけ練習しても「これで完璧」がない世界ですから、常に上を目指せるところが魅力的に感じますね。
――では、今後も舞台への出演は続けていく予定ですか。
加藤:はい、できれば年に4本は出演したいですね。……でも、まだ2026年の出演予定が全然埋まっていなくて。SNSでオファーを受け付けていますので、舞台関係の方々からの出演オファー、お待ちしています(笑)。
◆「女優」として演技で認められることが目標
――セクシー女優としての目標は、どうですか?
加藤:やっぱり演技関係になるんですけど、演技派女優として業界で名前が一番に挙がるくらいになりたいですね。「やっぱりドラマ作品をやるなら、加藤さんだよね」と言われたい。
さらに希望を言えば、地上波からもオファーされるような女優になりたいです。今はセクシー女優がオファー地上波のドラマからオファーされても、やっぱり脱ぎ役とか、セクシー要員ですよね。当然と言えば当然なんですが。
でもそうじゃなくて、ちゃんと演技を評価されて、役者としてオファーしてもらうのが夢なんです。
――素敵な夢ですね。
加藤:単体女優として華々しくデビューする女性がいるなか、私は無名の企画女優、エキストラとしてデビューしました。売れるまで時間もかかりましたが、だからこそ少しずつ自分がステップアップしていることも実感できたんです。
大きな賞も取らせていただきましたし、今はメーカー専属の単体女優としての活動もできています。演技の面白さにも目覚めて、ファンの皆さんからもたくさん応援されて。夢を持ちづつけながら活動できるのは、本当にありがたいです。
――やっぱり、ファンの皆さんの応援は大きいですか。
加藤:それはもう、本当に。私、作品に書いていただいたレビューは全部チェックしているんですよ。良いことばかりじゃないですが、悪いレビューも今後の参考にしようと思って。
だから、作品を見た方はどんな内容でもいいので、レビューを書いていただけたらうれしいですね。あ、あと舞台に出演するときも告知しますので、ぜひ応援に来てください。セクシー女優の加藤あやのとはまた違った姿をお見せしますよ!
<取材・文/蒼樹リュウスケ、写真/星亘>
【蒼樹リュウスケ】
単純に「本が好きだから」との理由で出版社に入社。雑誌制作をメインに仕事を続け、なんとなくフリーライターとして独立。「なんか面白ければ、それで良し」をモットーに、興味を持ったことを取材して記事にしながら人生を楽しむタイプのおじさんライター