COPD治療薬、開発に一歩=肺修復効果を確認―慈恵医大など

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2026年02月11日 23:31  時事通信社

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時事通信社

 長年の喫煙が原因で呼吸困難などを引き起こす慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)について、東京慈恵会医科大などの研究チームは、細胞から作られ、組織修復を促す小胞(エクソソーム)を患者に投与して、肺組織を修復し症状を抑えることに成功したと発表した。治療薬の開発に向け、2030年以降の治験開始を目指すという。論文は11日、米呼吸器学会の学会誌に掲載された。

 COPDは世界の死亡原因の上位を占め、現在のステロイドなどによる治療は症状緩和が中心で、根本的な治療法は確立されていない。

 慈恵医大の藤田雄准教授らは、正常な肺で傷ついた肺胞を再生する2型肺胞上皮細胞(AT2)という幹細胞と、AT2の働きを助ける特殊な線維芽細胞(修復細胞)に着目。修復細胞は小胞を放出してAT2の増殖を助けていたが、COPD患者では、修復細胞の機能が低下し、AT2の増殖能力も弱まっていた。

 研究チームは、通常の線維芽細胞に脂質代謝に関連する糖尿病治療薬を投与して培養したところ、修復細胞に似た細胞に変化することを発見。この細胞が出す小胞をCOPD患者由来のAT2に添加すると、低下していた増殖能力が回復した。

 さらに、たばこの煙にさらしてCOPDを発症させたマウスにこの小胞を投与したところ、炎症や繊維化が抑えられ、肺活量も改善した。

 藤田准教授は「実際のCOPD患者でどのくらい肺の構造の再生ができるか確かめたい」と述べた。 

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