
津軽弁の爆笑トークで知られる“元祖・方言タレント”の伊奈かっぺい(78)は普段故郷の青森を中心に活動しているが、3月8日に東京・有楽町のよみうりホールでライフワークの年に1度のトークライブを開催する。タレントになるきっかけは中1の時にあった。3回連載の2回目。
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津軽弁によるお笑い。それに目覚めたきっかけは中1時の2つの経験だった。1つが青森市出身の方言詩人・高木恭造さんの「まるめろ」との出会いだ。
「学校の先生から『津軽弁は汚い言葉だから使っちゃいけない』と教わったんです。『津軽弁だけは汚ぇ言葉だはんで使えばまいねんだで』と。つまり『使ってはいけない』。それを教える先生が津軽弁しかしゃべれない。そういう時代でした。ああそうか、汚い言葉なんだと思って図書室に行ったら、高木恭造さんの方言詩集があった。漢字に津軽弁でルビをふってあったんです。驚きましたね。誰でも読める漢字に誰も知らない津軽弁でルビをふる。すると、漢字が読める人に『あっ、津軽弁ではこういうんだ』って伝わる。なるほど。こういう表現をやってもいいんだっていうね」
これが津軽弁に誇りを持つキッカケにもなった。
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「誰も知らないような方言だからこそ面白いんじゃないですか。誰かに習ったわけではない。予習も復習もしたことがないのにマスターしたっていうのはすごく得だと思いましたね」
同じく中1の時に、父から落語全集10冊を贈られた。これを丸暗記したことが今でもタレントとしての血肉になっている。
「病気で入院していて半年間、学校に行っていないんですよ。その時におやじが落語全集を買ってくれた。小学生の時からラジオの寄席番組を聞いてましたからおやじは分かっていたんですね。落語の本なんてまず売ってなかった時代ですから、よく見つけたと思ってね。全集5冊で1巻。2巻で計10冊。それを入院中に暗記して、学校に行ってから教室で落語をやったことがあります」
爆笑を生むトーク術にも落語が生かされているという。
「古典落語の基本的なオチはこういうものだと分かりました。500以上ある落語で、オチの半分以上が実はダジャレなんですよ。だからダジャレを軽くみてバカにするのは大きな間違いなんです」
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襟を正して伝統芸能を味わうのではなく、気楽にただ楽しめばいい。子ども時代から書き続ける日記にも「面白いことしか書かない」と決めている。「『叱られた』とか『けんかした』なんて一切書かないですよ」。プラス思考に徹している。【松本久】
◆伊奈(いな)かっぺい 本名佐藤元伸。1947年(昭22)4月16日、青森県弘前市生まれ。青森短大卒。68年に青森放送に入社。74年に方言詩集「消ゴムでかいた落書き」を発表し、77年にレコード発売。24年にアルバム全37作を世界配信した。07年に定年退職し、現在は青森放送のラジオ「伊奈かっぺい 旅の空うわの空」、「伊奈かっぺい ことわざのわざ」のパーソナリティー。ほかに詩人、イラストレーターなどマルチタレントとして活躍。
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