陸上自衛隊の健軍駐屯地に入る長射程ミサイル関連の機材を載せたとみられる車両=9日未明、熊本市東区 防衛省九州防衛局は9日、反撃能力(敵基地攻撃能力)の要となる長射程ミサイル「12式地対艦誘導弾能力向上型」を、31日に陸上自衛隊健軍駐屯地(熊本市)に初配備すると発表した。中国などの軍事活動が活発化する中、同省は敵の射程圏外から相手部隊を排除する「スタンド・オフ・ミサイル」の国内配備を順次進める。
12式地対艦誘導弾能力向上型は1000キロ程度の飛翔(ひしょう)が可能で、熊本からは中国大陸沿岸部が射程圏内に入る。9日未明、発射装置などを載せた輸送車両が、開発実験部隊がある陸自富士駐屯地(静岡県小山町)から健軍駐屯地に到着していた。
スタンド・オフ・ミサイルを巡っては、迎撃されにくい変則軌道を描く地対地ミサイル「島しょ防衛用高速滑空弾」の富士駐屯地への月内配備も予定されている。来年度以降、北海道や宮崎県の駐屯地などにも反撃能力を持つミサイルが順次、配備される計画だ。
一方、他国からの攻撃目標となるリスクが高まるなど、地元の懸念も根強い。健軍駐屯地へのミサイル搬入について、熊本市の大西一史市長は9日、記者団の取材に「もう少し可能な限りの情報提供があるべきだ」と不快感をあらわにした。
九州防衛局は同日、大西市長や熊本県の木村敬知事、地元議員らを対象にした12式地対艦誘導弾能力向上型の装備品展示を17日に実施すると発表した。