「次こそは加藤大翔に負けない」中村仁、山越陽悠、りー海夏澄。FIA F3デビュー戦を終えた日本勢3名の学び

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2026年03月14日 14:20  AUTOSPORT web

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2026年FIA F3に参戦する日本勢。りー海夏澄(ARTグランプリ)、加藤大翔(ARTグランプリ/HFDP)、山越陽悠(VAR)、中村仁(ハイテック/TGR-DC)
 3月6日から8日にかけて、オーストラリア・メルボルンのアルバートパーク・サーキットで開催されたFIA F3の開幕ラウンド。今季は4名の日本人ドライバーが初参戦を果たし、加藤大翔(ARTグランプリ/HFDP)がフィーチャーレース(決勝レース2)で3位表彰台を獲得。加藤は幸先良いシーズンスタートを切ったが、残る3名の日本人ドライバー達も、それぞれ学びの多いFIA F3デビュー戦となった。


■中村仁(20歳)/スプリントレース:13位 フィーチャーレース:9位

 フォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパ(FRECA)を経て、FIA F3にステップアップした『TGRドライバー・チャレンジ・プログラム(TGR-DC)』メンバーの中村仁(ハイテック)。2月のバルセロナテストでは、後方の順位で終えるセッションが多く、メルボルンでの予選も15番手と中団グループとなった。

 土曜日のスプリントレース(決勝レース1)はルイス・シャープとジェームス・ウォートンのプレマ勢2台が絡むアクシデントにより7周で終了と、やや不完全燃焼に。日曜日のフィーチャーレースはプレマ勢の2台欠場となり、中村は13番グリッドからスタート。序盤から混戦をかいくぐって順位を上げ、中盤にはオーバーテイクも披露。最終的に9位に入り、2ポイントを獲得した。

「開幕前のバルセロナテストでは本当に苦戦していたので、若干の不安要素もあったのですけど、チームのみんなと協力して、ポジティブな状態で週末を迎えられて、結果を持ち帰ることができたのは嬉しいです」と中村。

「このレースウイークだけでもたくさん学んだことがあったので、それらをまとめて、しっかり復習して、次戦に向けて最高の準備をして、もっと良いレースを見せられたらなと思っています」と、次戦に向けて弾みをつけていた。


■山越陽悠(19歳)/スプリントレース:20位 フィーチャーレース:11位

 VARから参戦する山越陽悠。シーズン前のテストでは手応えをつかんでいたが、持ち込みのセットアップが合わず、予選22番手に終わった。スプリントレースは途中終了ということもあり、追い上げも叶わず20位となったが、フィーチャーレースに向けてはセットアップを修正し、20番手スタートから9ポジションアップの11位でデビュー戦を終えた。

「今できることはやれたかなと思います。セーフティカー(SC)明けは僕がコースの中で一番速く、手応えはあったので、もちろん悔しいです。しかも大翔が表彰台に上がったということもあって、影が薄くなったところもあるかなと……でも、まだ開幕戦ですし『こういうこともあるよね』と僕は捉えています」と山越。

 FIA F3は週末を通して使用できるドライタイヤは4セット(1コンパウンドのみ)だが、予選アタックのために出来る限り温存しておきたいため、フリー走行で使えるのは1セットのみ。さらに時間も45分しかないため、持ち込みのセットアップを外すとリカバリーがかなり難しい。

「バルセロナのプレシーズンテストはVAR勢で一番速く、フィーリングも含めて今回はかなり期待していました。ただ、フリー走行で走った瞬間から、クルマが思うように走ってくれる感じではなかったので、そこでチームメイトの差も離れてしまいました。チームメイトがフリー走行で見つけていた問題を、僕は予選でやっと見つけたという状態でした」

「FIA F3の難しいところが、フリー走行の時間が少ないこと。そこで持ち込んだクルマのセットアップがあまりにもかけ離れていると話にならないということを学べたことは大きいかなと思います。あとは、そこからのリカバリーをどうするかをたくさん学べたので、今後に向けて生かしていけると思います」

 次戦に向けた目標について山越は「フリー走行から、しっかり走れる状態のマシンを持ってきて、予選で少なくとも(リバースグリッド圏内に入る)12番手以内に入ることができればと思います。次こそは大翔に負けないようにしたいです」と意気込んでいた。


■りー海夏澄(18歳)/スプリントレース:28位 フィーチャーレース:DNF

 予選はミスがあり、26番手と後方グリッドとなった海夏澄。フィーチャーレースでは2周目のターン3で他車と接触したことでマシンにダメージを受け、ピットに戻ってリタイアとなった。

「(接触の状況について)後ろから僕のことを抜かそうとした選手がいて、ターン3で僕の方に寄ってきてぶつけられたかたちでした。それでステアリングが左に45度くらい曲がっちゃって……それで何もできないという感じでリタイアとなりました」

 サスペンション類へのダメージはなく、インパクトもそこまで大きくなかったようだが、接触の仕方が悪かったようで、ステアリング系統が狂うことに。「予選では自分のミスで後ろのグリッドからレースを始めることになってしまいました。そうなってしまうと何もできないというか、クラッシュせずにちゃんと走り切らないといけないというか……とにかく悔しかったです」と、海夏澄は肩を落としていた。

 その一方で、チームメイトたちは上位フィニッシュを果たしていたため、マシンに対する手応えは少なからずあったようだ。

「クルマはけっこう良い感じでしたし、大翔が3位で、マチェイ(・グラディシュ)選手が5位でした。バルセロナのテストでも調子が良かったので、クルマのポテンシャルはあると思っています。自分もFIA F3の初戦ということでプレッシャーをかけすぎてミスをしてしまったところがあります」と、自身のデビュー戦を分析していたが「こういう悪い結果が最初のラウンドで良かったなと思いますし、これで大体(FIA F3の流れが)わかったので、次に向けては大丈夫かと思います」と、次戦に向けて切り替えていた。

 全戦F1と併載されるFIA F3は、ドライバーブリーフィングや記者会見はF1と同じプレスカンファレンスルームで行われる。海夏澄自身は、以前に一度F1パドックに入った経験があるとのことだが、今回はF1パドックの見方も変わった様子だった。

「2023年のころにシルバーストーン/イギリスGPでF1パドックに入った経験があり、そこでいろいろな人を紹介してもらったりしました。F1パドックはそれ以来だったのですけど、雰囲気はめちゃくちゃ良いですね。やはりF1の世界は凄いなと。僕もその手前のところまで来ていると実感しました。いつか、そのパドックにずっといられるようにしたいなと思います。もっと頑張って、優勝して、F1界の人たちに知ってもらえるようにしたいです」

 シーズン前のバルセロナテストでは、上位陣と遜色ないタイムを記録するなど、速さをみせていた海夏澄。次戦でのリベンジに期待したいところだ。

[オートスポーツweb 2026年03月14日]

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