
【写真】道枝駿佑×生見愛瑠、美しい撮り下ろしショット ソロカットも
■「主演だと気づかずに撮影していた」道枝に、生見「そんな座長、いるの!?」
ともに2002年生まれで、芸能界に飛び込みキャリアを重ねてきたふたりにとって、本作が初共演。まず道枝が、生見への最初の印象を「バラエティ番組のイメージで、明るい人だと思っていたんです。ですがクランクインの時、まったく目が合わなくて(笑)。人見知りなんだなと驚きました」と意外だったとしつつ、「実際に話してみると、明るい方で、やっぱりもともと思っていたバラエティ番組での印象と同じでした」と振り返った。
一方、生見は道枝に対し「歌もダンスも、お芝居もできて、バラエティもできて。オールマイティで」と話すと、隣で「いやいや、バラエティできない(苦笑)」と道枝。それでも「実際、その通りだったんですけど……」と、道枝の普段の“完ぺきさ”を押す生見だったが、同時に、そうした道枝のイメージとは違った点も披露。
「道枝さん、撮影の途中までご自身が単独主演だと知らなかったんです。“あれ、俺、主演なんですか?”って。みんなで“そうですよ!”って(笑)。“そんな腰の低い座長がいるの!?”とびっくりしました。現場では抜けている部分もあって、天然な座長という感じで、スタッフのみなさんにとっても癒しだったと思います」と現場でのエピソードを明かした。事実を道枝に確認すると、「てっきりダブル主演だと思い込んでいて。撮影の後半になって気づきました」と笑わせた。
■“普通”を演じた道枝と、秘密を抱えてギターを弾き続けた生見
本作は、詩作を密かな趣味とする主人公・水嶋春人の日常が、「発達性ディスレクシア」という文字の認識が難しい症状を抱えながら歌唱と作曲の才能を持つヒロインの遠坂綾音と出逢ったことによって、動きだす。
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「三木(孝浩)監督から、撮影前にお手紙をいただいて。“素直な気持ちで春人を演じてもらえればうれしいです”と書いてくださっていました。その言葉を大事にしながら、『セカコイ』で演じた透ほど暗くなりすぎず、でも明るすぎないテンション感を探りながら演じました。あまり深く考えすぎずに、僕自身のニュートラルな状態で、自然体で演じたことが、結果的に春人にハマったのかなと思います」。
そして道枝の演じる春人を見て、生見は次のシーンが特に印象に残ったそう。「“言葉にできない気持ちを文字に込める人がいるんだよ”という春人のセリフがあるのですが、台本で読んだときには“自分だったらどう言うだろう、すごく難しいな”と思いました。でも道枝さんは、体の動きも含めて、とてもナチュラルにその言葉を口にしていて。自然なお芝居が、私の中にすごく刺さりました」と称賛した。
道枝が特に心に残ったのは、綾音の路上でのライブシーンだったそう。生見は、本作のオファーを受け、1年半にわたって、ボイストレーニングとギターレッスンを重ねた。撮影に入るまでに、これほどの準備期間がある作品は初めてだったと言い、「期待に応えなきゃ」とすごくドキドキしながらの猛練習となった。しかし「ギターもできるようになって、歌もできるようになったけれど、“同時に”こなして、さらに芝居も乗せなきゃいけない」という難しさに、「もうできないかも」と壁にぶつかったこともあったそう。しかも練習期間中は、まだ本作の発表がされておらず、周囲に秘密にしなければならなかった。そこにはこんな裏話も。
「ほかの作品の現場でも、毎日ギターを持ち歩いていたから、共演者の方から“何をしてるの?”と聞かれたりして(苦笑)。それでも情報解禁前だったので、何も言うことができなくて“ちょっと趣味で……”とごまかしていました」とまさかの告白。だがその甲斐あって、「1年半準備してきたからこその自信をつけて作品に臨めて、楽しい時間でした」と充実の表情を見せた。
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■道枝は愛犬、生見は地元の友達 ふたりの"リセット"のかたち
一緒に曲を作っていくことで、「自分の居場所を見つけていった」春人と綾音だが、それぞれに忙しい毎日を過ごす道枝と生見は、どんなことをしている時間や、場所が、自分自身でいられる“居場所”になっているのだろうか。
道枝は「僕は自分の部屋のベッドの上ですね。そこでゴロゴロしながら携帯で漫画を読んでいる時間が落ち着きます。あとは、車の運転が好きなのでドライブをしているときかな」と語り、さらに愛犬家としても知られる道枝らしく「愛犬と触れ合っている時間もすごく好きです」と回答。
愛犬のラデュレちゃんとララちゃんの2匹をかわいがっている道枝。「帰宅したら“ただいま”と声をかけますし、もちろん出かけるときにも“行ってくるね”と必ず声をかけています。一緒にいるときには、顔を近づけて、(顔をいい子いい子となでる動きをしながら)口周りの匂いを嗅いじゃいます」と明かし、「いつも自然に会話をしています。通じていると思っています。特に大きい子(ラデュレちゃん)は僕の言葉をすごく理解していると思います」と話す。
生見にとっての“居場所”は、「地元の友達に会う時間」。「地元の愛知に戻って、友達と何も考えずに遊んでいるときが、一番素の自分に戻れますし、“またリセットして頑張ろう!”と思えます」と話す。友達との会話では方言になっているそうで、「地元の子と会った次の日にお仕事をすると、スタッフさんから“今日、ちょっと訛ってない?”と指摘されます(笑)」とのこと。また、友達とは東京で会うこともあるとか。
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■人生を変えた大きな出会いはともに、芸能界へと導いた人
さらに、高校時代の出会いによって、人生を大きく変えていく春人と綾音にちなみ、道枝と生見の「自分の人生を大きく変えたのは、誰との出会いか」と聞いてみた。
まずは、春人と出会ったことで、綾音は「どんどん笑顔が増えていった」と振り返る生見から。人気モデルとして大きな支持を得ながら、女優としてのキャリアを重ねている生見。映画初出演を果たした『モエカレはオレンジ色』では第 46 回日本アカデミー賞新人俳優賞、ドラマ『日曜の夜ぐらいは…』では第33回TV LIFE年間ドラマ大賞助演女優賞受賞の評価も持つ。しかし、人生を変えた大きな出会いはモデルでも俳優でもなく、一番最初に憧れた「安室奈美恵さんです」と明かす。
「安室さんに憧れてダンススクールに通い始めたのがきっかけで、スカウトしていただきました。安室さんがいなかったら、芸能界には入っていなかったと思います」と語り、「今も毎日のように聴いています。『Hero』とか大好きで、ずっと聴き続けています」とのこと。そして今回、歌を披露できる役に挑戦できたことは「すごくありがたいです」とほほ笑んだ。
道枝は、「僕は事務所の先輩の山田涼介くんです。山田くんがいなかったら、この世界に入っていなかったと思います」と即答。道枝は、テレビドラマ『金田一少年の事件簿N(Neo)』を見て、Hey! Say! JUMPの山田涼介に憧れたことをきっかけに、事務所入りしたと公言してきた。そして2022年版の『金田一少年の事件簿』で金田一役を演じ、掲げてきた目標を叶えている。その後も、山田涼介の存在の大きさを幾度となく語っているが、「今も思いは全く変わっていません」とブレない思いを口にする。
また、俳優デビューを果たしてから今年で9年目。『今夜、世界からこの恋が消えても』では、第35回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞「石原裕次郎新人賞」と「ファンが選ぶ最高演技賞」を受賞するなど、繊細な演技が評価されており、道枝も、いまや後輩たちから憧れられる立場になっている。
「ありがたいことに、そう言ってくれる子たちが増えてきました」と気を引き締めるようにうなずいた道枝は、「山田くんが僕に見せてくれた背中のように、僕も後輩たちに大きく頼もしい背中を見せていけたらいいなと思っています」と真摯に語った。憧れの人への好きな気持ちをきっかけに、芸能界に飛び込んだふたり。そんなふたりが、今作で“歌”を通じた大きな出会いを奏でる。
(取材・文:望月ふみ 写真:松林満美)
映画『君が最後に遺した歌』は公開中。
