【全文】村上信五「抗えないものは抗えない。受け入れて前へ」/近大卒業式スピーチ2

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2026年03月21日 16:11  日刊スポーツ

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近大の卒業式にゲストスピーカーとしてサプライズで登壇した SUPER EIGHTの村上信五(撮影・松浦隆司)

SUPER EIGHTの村上信五(44)が21日、大阪・東大阪市で行われた近大の卒業式にゲストスピーカーとしてサプライズで登壇した。はかまやスーツ姿の卒業生約6000人に熱いメッセージを送った。


【全文 その2】


僕のキャラクターは「普通」だと思っている。普通だからこそ普通に話すことがきっといろんな方に比較的、届いてるのかなと自覚しています。


特別なことを言おうと思うと、言葉はカッコをつけてしまいますし、ましてやずっとこの感じの関西弁でやらせていただいてますから、東京に最初に出た時はすごい言われましたよ。


「標準語」にしないとドラマできないよ。でも今はやってない。やってないではなく、できていないと言ったほうが正しいかも。


標準語に合わせることができなかった、苦手だったんでしょうね。絶対に関西弁を変えないぞとは思ってなかったけど…。現場で台本を読むとどうしても。先生、そうですね、(イントネーションの)先生の関西弁、「靴下」も。(関西弁と標準語のイントネーションの違いがあり)、靴下が文章(台本)にあると、言えなかったんですよ。


監督に怒られた。セリフが来る時に「X」みたいになって、言えなくなった。これ、向いてないんじゃないかなと思ったのは20歳前後のころだった。


でもみんな適応しながら標準語もうまく操るし、自分のものとしてきちんと取り入れて、関西弁の人間が東京に出ると、標準的になった。当時は僕は、2カ国語を話せる感覚でいました。


でもまあ、ここまでいいやで、ここまで約30年、やらせてもらった。なんでこんなに長くできたのかな? 運でしかない。先ほども申し上げました通り、ひとさまにだけ、めちゃめちゃ恵まれた。


僕は何にもすごくないですよ。普通。ただ普通。周りがすごい人ばっかり。大阪でしたらハイヒールのモモコさん。幼少期のころ、会社も違いますが、モモコさんに育ててもらった。同じ同郷というだけで、かわいがっていただいた。芸的なことは何も教わったことはありません。「もうきちんとあいさつだけしなさいよ」。西川ヘレンさん、そうです。「親を大事にしてくださいね」って。恥ずかしくって、なかなかね、新年のあいさつだったりとか、父の日、母の日、誕生日こういったイベントごとの時に自分からのアクションってなかなかできない。恥ずかしいんですよね、思春期の時はとくに。


成人したってなったらその感謝の気持ちもちろんそうですし、自分が大人になった時にもちろん出てくるんですけれども、どう伝えていいか分からない。伝えたい気持ちはあるけれどもなかなか面と向かって言えなかったするわけです。


今はいろんなツールがあるじゃないですか、当然ね。メールでもいいですし、テレビ電話でも。直接、伝えることができる。なかなか、その1歩は踏み出せなかった。


ヘレンさんが言ってくださったことで、自分でやりやすい、きっかけと言い訳を作れた。友達から言われたり、兄弟から言われたり、あまりに近い人間から言われたりすると、ちょっとプライドみたいなものが許せなかったりする。


でも「普通」でいるというのは、心をフラットにしておけば、プライドっていうのも、自分のアイデンティティーを守るためには最低限は必要かもしれないけど、あんまりプライドっていうのもいらないと。プライドない方がいろんなものを吸収できます。吸収できるっていうのがきっと成長につながっていく。


無理矢理なチャレンジしたりとか、やっぱり得手不得手は人間ありますから、どうしてもできないこと、苦手なことを頑張るっていうよりも、自分の「普通」という感性、感覚に見合ったところに向き合っていけば、楽しい人生になる。


いまは大変ですよ。でも大変はいつどの時代にもなれてもきっと大変だと思う。昭和という時代の僕の親もそうです。祖母もそうです。祖母も大変やったと思う。でもきっと、いまはいまの大変さがあると思う。


みなさん、何度も言われていると思うけど、コロナ禍のときは大変だったよね。時間の過ごし方、コミュニケーションも取るのも大変だよね。こんなネガティブなことばっかりが世の中の情報としてある。でも社会ってそんなに悪くなぞって一面もぜひ、みなさんには知ってほしいと思う。


それをフラットに受け止めるために「普通」というのを持ち帰って、みなさんに社会人生活を送っていただきたいなと。こんな真面目な話で大丈夫ですか? もっと砕けたほうがよかったですか? 


卒業の時間、1つの場面というのは大事な思い出の1ページになる。これは十数年たったとき、僕が「普通」って言っていたなと、もしどこかで思い返すことがあれば…。


何かしらの大きな出来事で、村上が「普通」って言うていたな。苦しくなったときに思い返してみてください。僕は「普通」でここまでやらせていただけた。ラッキーでしかない。感謝とともに人生を過ごすのも悪くないと思う。


人生はこれから。ほぼ楽しいと思います。しんどいことはやってきます。十分、みなさん経験されていると思います。子どものころにしんどかった、苦しかった思いを乗り越えて、きょう卒業という節目を迎えている。


社会に出たら、だいたいのことは大したことはない。僕たちなんて、もうグループ名も変わってしまいました。


(会場がざわつくと)終わってみれば、もう大したことはない。いまふわっとリアクションいただいたこともそうですし、あらがえないものは、あらがえない。受け入れながら楽しく前に進んでいく。僕で言ったら、協力してくれるメンバーがいる。


卒業生のみなさんには先生方、そして仲間、友人がいる。大いに頼れるところは頼って、社会人人生を過ごしていただきたいと思います。


ご静聴、ありがとうございました。(おわり)

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