ホルムズ掃海、法制・運用で課題=停戦後の海自派遣、慎重に検討

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2026年03月26日 07:32  時事通信社

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首相官邸に入る高市早苗首相=25日、東京・永田町
 イランが事実上封鎖するホルムズ海峡の安全確保に向け、日本政府が「貢献」策を検討している。有力視されるのは、停戦後に海上自衛隊の機雷掃海部隊を派遣する案だ。海自は高い掃海能力を持ち、湾岸戦争後の1991年にペルシャ湾に派遣された実績もある。各国の動向に加え、国内法や日本の防衛体制への影響を踏まえ、慎重に判断する方針だ。

 高市早苗首相は25日の参院予算委員会で、将来的な掃海部隊の派遣について「状況を見て、法律にのっとって判断していく」と含みを持たせた。現時点で機雷敷設の有無や停戦合意の見通しは不明だとも指摘した。

 先の日米首脳会談では、トランプ大統領から航行の自由確保に向けた「貢献」を迫られた。防衛省幹部は「停戦後の機雷掃海は一つの選択肢だ」と説明する。

 政府は現在のイラン情勢について、集団的自衛権行使が可能となる存立危機事態や、後方支援などができる重要影響事態の認定には否定的だ。米国とイランによる交戦下での機雷除去は「戦闘行為」とみなされるため、難しいとの立場だ。戦闘終結後に残された「遺棄機雷」の除去であれば、自衛隊法84条の2に基づいて実施できる。

 海自の機雷掃海能力は国際的にも評価が高い。太平洋戦争で日米両軍が日本周辺にまいた機雷をこれまでに約7000個処理。湾岸戦争後に掃海艇など6隻がペルシャ湾に派遣された際は、34個の機雷を除去した。東京・硫黄島の近海では実機雷処分訓練を毎年積み重ねている。

 実際に部隊を派遣する場合は、隊員の安全確保や国内の警戒監視体制に影響を与えないことが課題となる。

 海自は現在、機雷掃海艦を16隻保有するが、このうち9隻は磁気や音などに反応する機雷への対策として木造船だ。掃海艦は防空能力に劣る面があり、海域によっては最新の防空レーダーを積む護衛艦やイージス艦などの護衛を伴って向かうことも想定される。

 日本周辺では、中国が太平洋側への進出を強め、北朝鮮による核・ミサイル開発の脅威も高まる。自衛隊の中東派遣が長期化すれば、平時の警戒監視体制に隙が生じるリスクもはらむ。 

湾岸戦争後の1991年にペルシャ湾に派遣された海上自衛隊の機雷掃海母艦「はやせ」
湾岸戦争後の1991年にペルシャ湾に派遣された海上自衛隊の機雷掃海母艦「はやせ」

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  • そんな寝言を言ってると日本は世界のシステムから外されるぜ。
    • イイネ!7
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