
視聴率低迷にあえぐフジテレビ。怒号が飛び交った、あの“10時間記者会見”から早くも1年。タレントの中居正広氏がからむ騒動が今も尾を引いているのかと思いきや、実は9年も前から、5つの在京民放キー局の中で視聴率4位の座に甘んじている。
春の番組改編を前に、フジテレビは19年続いた人気トーク番組『ボクらの時代』や、30年もの歴史を紡いだ政治討論番組『日曜報道THE PRIME』の終了を発表。視聴者から「ほかに終わらせるべき番組あるだろ」などのツッコミが相次いでいるよう。
そこで今回は、30代〜60代の男女300人を対象に「もういいかげん終わってほしいフジテレビのバラエティー番組」をテーマにアンケートを実施。そこから見えてきたものは─。
「終わってほしい」5位は『呼び出し先生タナカ』
5位にランクインしたのは、アンケート実施と同時期に“打ち切り”が発表され、3月16日に最終回を迎えた『呼び出し先生タナカ』。アンガールズの田中卓志扮するタナカ先生が、さまざまなゲスト(生徒)の珍解答を愛のムチでイジるクイズ番組だった。
「出演者もパッとしないし、『めちゃイケ』のパクリで見飽きた」(大阪府・女性・54歳)
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という声のように、当初から『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)の人気企画「めちゃイケ抜き打ちテスト」にコンセプトが酷似しすぎていると話題に。『めちゃイケ』の出演者であった岡村隆史や加藤浩次もラジオなどで苦言を呈し、物議を醸した。
芸能評論家の宝泉薫さんは、
「田中さんは明らかにイジられキャラなのに、この番組ではイジるほうの役回りでした。芸人としての武器が使えないから当然面白くもならないし、本人も苦しかったのでは」
と分析する。“おバカ”を売りにした若いタレント解答者らがユニットを組んで曲をリリースするなど、『クイズ!ヘキサゴン』(フジテレビ系)のデジャヴ感に、見ているこちらが恥ずかしくなることも……。
「タレントをイジらせたら超一流の島田紳助さんのマネをしても、かなうはずがない。二番煎じ、出がらし、という言葉がぴったりの番組でした。よく4年ももちましたよ」(宝泉さん)
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4位『ネプリーグ』はマンネリすぎ?
4位もクイズ番組の『ネプリーグ』がランクイン。メインMCのネプチューンを含め、俳優やアイドルなど多彩なゲストがチームを組んで対戦。「ファイブリーグ」「ブレインタワー」など、工夫を凝らしたアトラクション性のある演出が特徴だが、
「マンネリすぎ」(茨城県・男性・49歳)
とのコメントどおり、21年目に突入した同番組には、さすがに視聴者も飽きがきているよう。
「視聴者がお茶の間で“参加”できるクイズ番組は、根強いコンテンツ。テレビ朝日の『Qさま!!』のように知識や学力を問わない問題構成は好評ですが、マンネリの最大の原因はネプチューンでしょうね」(宝泉さん)
番組開始当初は若手だったネプチューンの3人も、今では全員50代に。
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「パッケージとしては優れているので、特番でたびたび復活する『なるほど! ザ・ワールド』(フジテレビ系)や、TBS系の『東京フレンドパーク』のように、司会者を一新するだけでも新鮮さが取り戻せるのではないでしょうか」(宝泉さん)
ドッキリ自体が今や時代遅れ!?
第3位は『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』。Snow Manの向井康二扮する、記憶力ゼロのキャラクター「マッサマン」や、言いにくいフレーズを噛まずに言う「ボムマジ爆発」など、数々の名物企画を生み出したが、
「人が嫌がる姿を見て楽しむのは悪趣味」(京都府・女性・54歳)
と、もはやドッキリそのものを受け入れられない視聴者も少なくないよう。
「'80年代にはフジテレビの『スターどっきり(秘)報告』が大変な人気を博しました。コンプラ的にドッキリが難しい令和の時代に、“芸能人が考えた”という逃げ道を思いついたのはある種の発明。でも放送から8年目を迎え、ネタが尽きてきた感は否めません」(宝泉さん)
視聴率はさほど悪くないものの、土曜夜の同時間帯で2年連続の1位を誇る『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』(テレビ朝日系)には及ばない。
「番組の最大の功績は、菊池風磨さんの新しいキャラを開花させたことでしょう。『timelesz project』でのプロデューサー的役割も、ドッキリクリエイターとしての経験があってこそ、といえるかも(笑)。この番組がなければ今のtimeleszはなかったかもしれない、と考察するとその功績は大きいですよ」(宝泉さん)
2位は『ぽかぽか』
2位にランクインしたのは、昼の帯番組『ぽかぽか』。ハライチと神田愛花がMCを務める生放送のトークバラエティーで、ほのぼのとした“ゆるさ”が売り。同時間帯は『大下容子ワイド!スクランブル』(テレビ朝日系)や『ひるおび』(TBS系)が人気で、同番組は『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)と視聴率の最下位争いをしている格好だ。
「時事ネタのほうが興味深いので他局のワイドショーを見ている」(福岡県・男性・64歳)
などの意見が寄せられた。
「この番組が上位に入るということは、多くの視聴者たちが“芸能人のトークなんてもう興味ないよ”と思っている証拠。個人的にはこのゆるさも嫌いではないんですけどね」(宝泉さん)
アンケートでは、司会の3人に対する違和感を理由にあげる人も少なくなかった。
「番組のクラッシャー役はハライチの岩井さんだけで十分なのに、神田さんも同じように前に出ようとするからチグハグな印象になってしまう。『いいとも』のタモリさんが番組のまとめ役としていかに偉大だったか、今さらながらに思い知らされます」(宝泉さん)
不名誉な1位は『坂上どうぶつ王国』
不名誉な1位となったのは、放送8年目を迎えた『坂上どうぶつ王国』。最近は保護猫・保護犬のケアや、MCの坂上忍が設立した動物保護ハウス「さかがみ家」の話題が中心でいささかワンパターン。
「内容が予定調和っぽい」(東京都・女性・60歳)
「動物番組はもういい」(沖縄県・女性・69歳)
さまざまな理由があがったが、実はそのほとんどが「坂上忍が嫌いだから」という身もふたもないものだった……。
宝泉さんは「動物に優しいのに、ここまで嫌われる人いますか(笑)。ある意味カリスマですよ」と苦笑い。ランクインしたほかの番組と違い、坂上ひとりに対する嫌悪感だけで30票を集めてしまったようなものだ。
「嫌いだとか、早く終われとか言われながらも続く番組って実はいちばん強い。万人受けはしないけど、一部の人には刺さる。そんな番組があってもいい気はしますよね」(宝泉さん)
フジテレビは3月9日、4月期改編の目玉として、カズレーザーとお笑いコンビ、ニューヨークによる新番組を発表。今話題のテーマを独自の視点で調査し、答えを導き出す“超調査バラエティー”だという。ゴールデン帯では異例の2時間生放送で、編成管理部長は「大きなチャレンジ」と語った。
「チャレンジというにはMCがあまりに弱すぎる。これが千鳥や令和ロマンだったらまだ注目度は高まったかも」
と、宝泉さん。ゴールデン帯の生放送情報バラエティーで、今も伝説となっているのは『久米宏のTVスクランブル』(日本テレビ系・'82〜'85年)。久米さんとともにMCを務めたのは横山やすしさん。タブーを恐れず発言するふたつの個性のぶつかり合いが、強烈な印象を残した。この番組を覚えている50代以上の世代は、今さら中途半端なものを見せられても物足りなさを感じるだけだろう。
「テレビは高齢者のものといわれるけれど、もはや今のフジテレビは高齢者の心すらつかめそうにない。初心に戻り、'70年代までのキャッチフレーズ“母と子のフジテレビ”を心に留めて子どもをターゲットにするのもひとつの手かも」(宝泉さん)
フジテレビが迷走状態から抜け出せる日は来るのか?

