ラスト9分で逆転、王者マッソン組パニスが開幕戦を制する。木村武史はクラス3位と好発進/ELMS

0

2026年04月13日 17:40  AUTOSPORT web

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AUTOSPORT web

計20秒のタイムペナルティを克服して優勝した29号車オレカ07・ギブソン(フォレスティエ・レーシング・バイ・パニス)のドライバーたち 2026年ELMS第1戦バルセロナ
 4月12日、スペインのカタロニア・サーキットで2026年ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズ第1戦『バルセロナ4時間』の決勝レースが行われ、赤旗中断や相次ぐペナルティ、そして終盤の劇的な逆転劇が繰り広げられる波乱のなか、現チャンピオンが駆るフォレスティエ・レーシング・バイ・パニスの29号車オレカ07・ギブソンが総合優勝を飾った。エステバン・マッソン、オリバー・グレイ、ルイ・ルセのトリオは、合計20秒ものタイムペナルティを科されながらも、それを見事に跳ね除けて表彰台の頂点に立った。

 レースは序盤から大きく荒れた。曇り空の下、47台のマシンがクラスごとに分かれてスタートを切ったが、1周目のターン1およびターン2でLMP2プロ・アマとLMP3クラスの計6台が巻き込まれる多重クラッシュが発生。この事故によりレースは即座に赤旗中断となる。

 アクシデントに巻き込まれたドライバーのうち、スピンしたマシンに衝突したゲオルギオス・コロボス(CLXモータースポーツ/47号車オレカ)が背中の痛みを訴え病院へ搬送された。後の精密検査で第2腰椎の骨折が判明したが、容体は安定していると報告されている。

 事故処理とコース清掃のため、レースは約25分間にわたって中断されたが、失われた時間は競技時間にそのまま加算される措置が取られた。

 再開後、レースをリードしたのは、今大会唯一の2人体制という戦略を採った34号車オレカ(インターユーロポル・コンペティション)だった。一方、優勝したパニスの29号車は、ルセがステアリングを握っていた第2スティントにおいて、コース外走行による追い越しとレースディレクターの指示に従わなかったとして合計20秒のタイムペナルティを課せられる。これにより一時は4番手まで順位を下げたが、最終走者を任されたトヨタ育成出身のマッソンが猛烈な追い上げを見せ、レース残り10分を切ったところで34号車オレカをオーバーテイクし首位に躍り出た。

 マッソン駆る29号車はそのままトップチェッカーを受けたが、その後方ではさらなるドラマが待っていた。元F1ドライバーのジャック・ドゥーハンが乗り込んだ24号車オレカ(ニールセン・レーシング)は、表彰台を争う位置につけていた。しかし最終ラップで突如失速。22号車オレカ(ユナイテッド・オートスポーツ)との直前の接触による影響か、サスペンションにダメージを負って7位でレースを終えることとなった。

 結局、インターユーロポルの34号車オレカがトップと13.398秒差の2位。ユナイテッドの22号車オレカが3位表彰台を獲得している。

 他クラスでも激しい攻防が展開された。LMP2プロ・アマでは、マルテ・ヤコブセン、ミカエル・イェンセン、エンツォ・トゥルーリを擁する20号車オレカ(アルガルベ・プロ・レーシング)がクラス優勝を飾り、LMP3クラスはリナルディ・レーシングの5号車リジェJS P325・トヨタが接戦を制した。

 唯一のGTカテゴリーであるLMGT3クラスでは、ポルシェのル・マン初優勝(1951年)を記念したカラーリングが施された75号車ポルシェ911 GT3 Rエボ(プロトン・コンペティション)が勝利を収めた。

 レース後半の大部分をリードしていた62号車メルセデスAMG GT3エボ(チーム・カタール・バイ・アイアン・リンクス)を破ったこのポルシェは、ELMSデビュー戦となったトム・サージェントとマット・クルゼエフスキー、そしてベテランのリヒャルト・リエツのトリオによってドライブされた。

 クラス2位は23号車マクラーレン720S GT3エボ(ユナイテッド・オートスポーツ)、同3位には木村武史組の57号車フェラーリ296 GT3エボ(ケッセル・レーシング)が入った。なお23号車は、ゴールドランクドライバーのウェイン・ボイドの走行時間が規定の40分に対し6分53秒不足していた。このため順位は維持されたものの獲得ポイントの剥奪という裁定が下っている。

 波乱に満ちた開幕戦を終えた2026年のELMS。次戦となる第2戦『ル・カステレ4時間』は、フランスのポール・リカール・サーキットで5月1〜3日に開催される予定だ。

[オートスポーツweb 2026年04月13日]

    ニュース設定